「医学部を語る〜全国編〜」イベントレポート(2017年夏実施)

2017年夏、全国各地8つの会場にて、代々木ゼミナール・Y-SAPIX共催セミナー「医学部を語る」を開催しました。

医学部医学科全体の動向や今後の展望を分析した第1部全国編に続き、第2部として、各地の医学部に焦点をあて、近年の入試状況や対策等についてお話ししました。

第1部 医学部最新入試状況

第1部では医学部の定員数の推移や入試について、また入試科目や配点についてなど、全体的なお話をいたしました。

医学部の定員について

・定員数は増加している

医学部の定員数は2007年度から増加しています。それまでは増加しませんでしたが、2007年から2017年度にかけて定員が右肩上がりとなっています。これは、地方の医師不足を解消するために臨時で定員を増加したためです。

この10年で定員数は1,795名、割合で言うと23.5%増加しています。なお、2019年度入試までは定員増が決定していますが、それ以降はどうなるか現時点では不明です。

・募集方式別の定員について

2007年から2017年の国公立大の募集方式別の定員数の推移は次のようになっています。

2007年から2017年にかけて推薦・AOの地域枠の募集人員が増加していることが分かります。首都圏や関西などの人口が多い地域では医師の人数はそれなりに充実している一方、地方や過疎地域では医師不足が問題となっているため、それを補うために地域枠の人員が増加されました。

地域枠とは、卒業後に指定された地域の医療に長年(大学にもよりますがおよそ6~9年程度)従事することを前提に、その枠で入学すると大学から学費の補助が出るというものです。

今まではその地域出身者でなくても応募することができましたが、定着率の問題で今後はその地域出身者限定での募集になる可能性もあるので、今後の動向に注目しなければなりません。