国公立・準大学における医学部の系譜

医学科(筑波大、金沢大は医学類)のある大学は、全国に国立42校、公立8校、私立31校(以上文部科学省所管)、準大学1校(防衛省所管の防衛医科大学校)の計82校あります。志望大学がどのグループに含まれるのか、設置された経緯とともに確認しておきましょう。

国公立大学の医学部医学科は、設立された年代により4つのグループに大別されます。一般的に、伝統のある大学ほど難易度が高くなっています。

旧帝大(国立7大学)

帝国大学は国の施策により明治から昭和にかけて、最上位の国立高等教育機関および研究機関として、全国の要所に設置されました。設置は明治から大正にかけて東京大、京都大、東北大、九州大、北海道大、昭和初期に大阪大、名古屋大の順に設置されました。

東北大、大阪大、名古屋大は医学部自体は帝国大学設置を機に、以前からあった地元の医学専門学校や医科大学を統合したものです。

国立 北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学

旧医科大学(国立6大学、公立1大学)

前身が医科専門学校であり、1919年(大正8年)施行の大学令により、1921年(大正10年)〜1925年(大正14年)に医科大学として認可されました。

旧帝大に次ぐ歴史のある医学部と言えます。

国立 千葉大学、新潟大学、金沢大学、岡山大学、長崎大学、熊本大学
公立 京都府立医科大学

旧医学専門学校(国立12大学、公立7大学)

1930年代後半になると日中戦争拡大に伴い、その当時の医師数では軍隊の兵士たちの健康管理や治療に当たることが十分にできなくなりました。そこで政府は臨床医養成のために医学専門学校を開設しました。

これらはいずれも戦後に新制大学の医学部となり、東京医学歯学専門学校は東京医科歯科大として再出発しました。

国立 弘前大学、群馬大学、東京医科歯科大学、信州大学、岐阜大学、三重大学、神戸大学、鳥取大学、広島大学、山口大学、徳島大学、鹿児島大学
公立 札幌医科大学、福島県立医科大学、横浜市立大学、名古屋市立大学、大阪公立大学、奈良県立医科大学、和歌山県立医科大学

新設医大(国立17大学・準大学1校)

戦後社会は高度経済成長が進む一方で、無医村など医療における地域格差が問題となり、「1県1医科大」という構想にもとづき、1970年代に国立では17の医学部や医科大が設立されました。

医師である幹部自衛官を養成する防衛医科大学校も1973年に設立されています。

国立 旭川医科大学、秋田大学、山形大学、筑波大学、富山大学、福井大学、山梨大学、浜松医科大学、滋賀医科大学、島根大学、香川大学、愛媛大学、高知大学、佐賀大学、大分大学、宮崎大学、琉球大学
準大学 防衛医科大学校