2017年夏、全国各地8つの会場にて、代々木ゼミナール・Y-SAPIX共催セミナー「医学部を語る」を開催しました。
医学部医学科全体の動向や今後の展望を分析した第1部全国編に続き、第2部として、各地の医学部に焦点をあて、近年の入試状況や対策等についてお話ししました。
志願状況
まず、国立前期と私立一般入試の志願者の推移を確認します。
2017年度、大幅に志願者が増えたのは山口大学、熊本大学と私立の福岡大学です。反対に鹿児島大学は大幅に志願者が減りました。
次に志願状況を志願者指数と志願倍率で見てみます。
志願者指数は、前年度を100として志願者が増えるほどグラフは右側へ、減っていれば左側に位置します。参考までに昨年度の指数を赤色で示しています。
これらの表をご覧になって、何かお気づきではないでしょうか。前年増加していれば今年は減少し、逆に前年減少していれば今年は増加に転じている傾向が明らかです。このような志願状況の動向を「隔年現象」や「前年の反動」という言い方をします。特に山口大学、熊本大学、鹿児島大学は、その特徴が顕著に表れています。医学部医学科へ出願する際は、前年までの志願状況から高倍率にならないような大学を予想することもテクニックのひとつです。
ただ、この特徴に当てはまらないのが九州大学です。志願者数、倍率ともに毎年大きな変動はありません。九州大学は、全国で唯一理科が3科目必須(センター試験で「生物」、個別試験で「物理」「化学」が必須)という負担の大きい入試科目が課されています。出願できるのは、その対策を十分にとっている受験生に限られるため、志願者数がほぼ一定であると考えられます。