入試変更点
志願動向に多大な影響を与える「入試変更点」を確認しましょう。
まずは、熊本大学の過去の入試変更点の変遷と志願者数の関係をご覧ください。変更の内容が受験生にとって不利なものであれば志願者は減少しますし、逆もまた同じことがいえます。
では2017年度入試の変更点を見てみましょう。
九州大学は出願時に志望理由書が必要になります。東京大学理科Ⅲ類では2018年度入試から面接試験を復活させますので、医学科で面接を課さないのは九州大学のみになります。今回の志望理由書の提出は、今後の面接実施の布石かもしれません。
大分大学は数学の出題範囲が変更となりますが、授業で扱わない高校もあることから、これはおそらく選択問題に関するものになると思われます。
宮崎大学の後期試験では、総合問題が化学に変更されることで、これまでに比べ受験生は対策が立てやすくなるでしょう。
長崎大学の面接といえば、従来は合否を判定する材料というより、形式的な意味合いが強く、答えのない問いに対して受験生が自分の言葉でしっかりと意見を伝えることが求められていました。しかし不合格になる可能性が明記された以上、これからは入念な面接対策が必要になります。
鹿児島大学は英語の外部試験を導入し、基準を満たせばセンター試験英語が満点扱いになります。将来の入試改革の先取りといえるかもしれません。英語講師によると「この基準を満たす学力の生徒なら、センター英語は満点近く取れるでしょう」とのことですが、大きなアドバンテージを得ることができますから、挑戦してみる価値は大いにあるでしょう。
次に2018年度の変更点です。
熊本大学はセンター試験生物の必須受験を廃止しますので、志願者が増加することが予想されます。
山口大学は大幅な変更です。2段階選抜の実施もなく、理科が1科目のみだったため、これまでは高い志願倍率を維持していました。実は過去にこれと同様の入試変更を行った大学があります。2015年度入試の鹿児島大学です。その結果志願者は激減しました。このことから、2018年度入試の山口大学も、前年度より志願者が減少する可能性が高いことが推察されます。