「医学部を語る〜全国編〜」イベントレポート(2016年夏実施)

選抜の基礎知識〈国公立大〉

一般入試の選抜方法

国公立大の主な選抜方法(全50校)

国公立大一般入試は、募集人員を前期、後期の2回に分けて試験を行いますが、後期試験を実施しない大学が約半数を占めています。国公立大医学部全体では募集人員のおよそ9割が前期試験で選抜されます。

第1段階選抜にはセンター試験の成績が用いられます。一般的に第1段階選抜は志願倍率が予告倍率を超えた場合に実施されますが、大学によっては、基準点を下回ると2次試験の受験資格が得られない場合もあります。

前期試験においては、2次試験の結果が重視される傾向にあります。センター試験は得点率9割が目標となりますが、2次試験こそ力をいれて対策したいところです。学科試験(英語・数学・理科2科目)と面接を課すことが一般的ですが、東大・京大を含む4校は国語も必須科目です。

また、現在半数ほどの大学が実施している後期試験については、近年廃止する大学が増えているため注意が必要です。これに替わって増加している推薦・AO入試は、前期試験よりも早い時期に選考が行われるのが特徴です。多くの場合、秋頃に出願し、面接や小論文といった選考に入るため、一般入試に先駆けて準備を進めておく必要があります。

前期試験の配点比率

前期試験では、2次試験重視の大学が大多数を占めます。なかでも旧帝大は2次比率が高くなっています。

近年、2次試験の科目を増やす、配点を高くするなどの2次試験重視の大学は増加傾向にあります。千葉大学では、2015年度入試からセンター試験の比率をそれまでの約50%から約30%まで大幅に下げました。

各大学が作成する2次試験はその大学の特徴が色濃く反映されます。過去問を解いてその傾向を知ることはもちろん、大学のアドミッション・ポリシーを理解することなども入試対策の1つとして有用です。

センター9割の難しさ

“センター9割”を目指すことは、容易ではありません。もとより6割程度が平均点となるように作成されている試験です。医学部受験生は、この試験を“全科目満点”を目指すイメージで臨むことになるでしょう。

2016年度の場合、平均得点率が最も低かったのは数学Ⅱ・Bの48点(100点満点)でした。すべての科目で9割程度を目指す医学部受験生となると、平均を40点近く上回らなくてはなりません。たとえ難易度が高い科目があったとしても、着実に得点できるよう努めましょう。

科目によって得意不得意や難易差があっても、常に85〜95点前後が目標点になります。センター試験対策をするにあたっては、まず問題を解けるようになることが大前提ですが、その次の段階として、問題量に対応するためのスピードアップを図る練習が必要不可欠です。

第1段階選抜実施状況(前期)

2016年度入試では、事前に第1段階選抜を予告していた42の国公立大学のうち、21大学が実際に行いました。東京大学の理科3類では、第1段階選抜で約3割の受験生が不合格となり、涙をのむ結果となりました。

最終合格者のセンター試験最低得点率

各大学最終合格者のセンター試験最低得点率は次のグラフのとおりでした。センター8割前後の得点率から、2次試験で挽回した合格者がいることがわかります。

“センター9割”を割っても、これだけの可能性が残されているということは頭の隅に置いておいてください。逆に、センター試験で一歩リードできたと思っていても、逆転される可能性があることを忘れてはなりません。

第1段階選抜実施状況(後期)

後期試験では、予告していた21大学のうち、16校が第1段階選抜を実施しました。少ない募集枠に対し多くの受験生が志願するため、より一層厳しい戦いとなります。その分、2次試験に進めなかった割合が高くなっています。

2016年度受験者傾向

女子比率

国公立大学の難関校では、受験者の女子比率が低い傾向にあります。東京大学は13%、京都大学は14%にとどまっています。一方、大学によっては女子が4割程度を占めるところもあります。

浪人生比率

医学部の浪人生比率は高く、全体の6〜7割を超えることも珍しくありません。しかし東京大学では18%、京都大学でも39%と超難関大学は敬遠される傾向にあります。

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