「医学部を語る〜九州・山口編〜」イベントレポート(2017年夏実施)

入試変更点

志願動向に多大な影響を与える「入試変更点」を確認しましょう。

現時点(イベント実施日8月6日)で判明している入試変更点をまとめました。

まずは、2018年度入試です。

各大学いくつか変更点はありますが、注目すべきは入試科目の変更がある山口大学と熊本大学です。

山口大学は前期日程で2次試験の理科が1科目から2科目に増え、さらに2段階選抜を予告しています。これまで理科の負担が少なく、2段階選抜がないことで比較的受験しやすかったため、ここ数年高倍率が続いていました。2015年度入試で同様の変更を行った鹿児島大学では、その年の志願者が大きく減少しました。この結果から推察すると、山口大学も2018年度入試では志願者が大幅に減少するのではないでしょうか。補足情報ですが、山口大学の理科2科目の出題方法について入試担当者から聞いたところによると、試験時間は2科目合わせて150分で、試験問題は他の理系学部との共通問題だそうです。問題の難易度は易しめなので点を取りこぼさないよう注意してください。ただし、他学部は同じ問題で1科目90分の試験時間を設定していますので、医学部受験者は解答するスピードが求められることになるでしょう。

熊本大学はセンター試験「生物」を必須科目から選択科目に変更します。これまでセンター「生物」が必須だったため、「物理」「化学」のみを履修選択した受験生にとっては、受験することができない大学でした。今年度から出願しやすくなるため、山口大学とは反対に出願者の増加が考えられますが、昨年度入試で増加した反動も考慮すると予想が難しくなっています。

山口大学【一般入試・前期日程】の変更点
山口大学【推薦入試Ⅱ】の変更点
佐賀大学【一般入試】の変更点
長崎大学の入試変更点
熊本大学【一般入試・前期日程】の入試変更点
鹿児島大学の入試変更点
久留米大学【福岡県特別枠入試】の入試変更点
福岡大学の入試変更点

最近の入試変更点のトレンドとして、「志望理由書」を提出書類に加える大学や、英語の外部試験の得点や資格をセンター試験「英語」の得点に換算する制度、インターネットで出願できる制度を導入する大学が増えているということが挙げられます。「志望理由書」は入試段階で明確な目的意識を持たせる狙いがあります。外部試験の導入は大学によって利用方法が様々ですが、今般の入試改革の影響によるものと考えられます。ネット出願は大学側と受験生側双方にメリットがありますが、ネット上で出願情報を登録したら手続きがすべて完了するというわけではありませんので注意してください。

インターネット出願の導入

次に2019年度入試の変更点です。

先ほど九州大学入試の特徴として、センター試験と2次試験で理科3科目を課すことを説明しましたが、2019年度入試からはセンター「生物」が必須科目から選択科目に変更されます。例年は3倍程度で一定だった志願倍率が、理科の負担が減ることで増加することが予想されます。受験しやすくなるとは言え、高い学力・点数を求められる大学であることに変わりはありませんので十分な対策は必要です。

2019年度入試の変更点