東京医科歯科大学6年 I・Kさん

東大・京大・医学部 難関大学現役突破塾Y-SAPIXでインストラクターとして活躍する現役医学部生I・Kさん(東京医科歯科大学 医学部医学科 6年生)にお話を聞きました。

※インストラクター…各校舎に在籍している東大・京大・医学部などの難関大学に通っている現役の大学生です。生徒の皆さんから学習相談を受けたり、自身の受験体験に基づいたアドバイスを行います。

医師になりたいと思ったきっかけは?

医師の多い家系で、小さい頃から医師の姿を間近に見ていたので自然と憧れを持っていました。医学部を目指すことを決めたのは、従兄が通っていた大学のオープンキャンパスを訪れたときです。そこでは上皇陛下の執刀医として知られる順天堂大学心臓血管外科の天野篤先生が講演をされていました。命を救うことを決して諦めない先生の姿勢と患者さんのために死力をつくす外科医の生き様に感銘を受け、自分の中での医師の理想像、目標像が明確に定まった瞬間でした。

医師としての進路・目標

循環器内科医になりたいと考えています。近い将来、日本は4~5人に1人が75歳以上という超超高齢社会に突入します。それに応じて心臓や血管に問題を抱えてしまう患者さんの数も増えていき、症状も高齢であればあるほど重篤になることが予想されています。患者数が多くなることを感染症に例えて、心不全パンデミックという言葉が叫ばれるなど心臓病への危機意識が高まっているのが現状です。学生時代に新型コロナウイルスという未曾有のパンデミックを経験した者として、今後必ず迎えるであろう、新たな形のパンデミックから一人でも多くの患者さんを助けられるような医師になりたいです。

1日のスケジュール
私に影響を与えた一作

司馬遼太郎 著『燃えよ剣(上)(下)』(新潮文庫刊)

『燃えよ剣』は新撰組鬼の副長として知られる土方歳三の半生を描いた作品です。この作品は新撰組をあまり知らない人でも読みやすいと思うのでおすすめです!時代が倒幕、明治維新へと流れていき、味方がどんどん減っていく中で、土方歳三は最後まで幕府に忠義を誓い戦い続けました。その生き方は不器用で武骨だけれども筋が通っていて完結している、美しいものでした。読み返すたびに、男たるもの、信念を持って生きなければと身が引き締まる思いになります。

一問一答

Q. 大学の授業で苦労したことは?
「臨床推論」という授業です。病気と症状・治療法を一対一対応で覚えてきたそれまでの学習に対して、実際の臨床では患者さんの症状や所見から可能性のある病気を思いつく限り挙げて、どの病気かを推論していきます。たくさんの病気の中から患者さんの症状に合うものを漏れなく想起する必要があり、分野横断的に病気を連想する頭の柔軟さが求められるため苦労しました。
Q. 部活やサークル、趣味について教えてください。
部活は水泳部に所属しており、コロナ前は夏の大会に向けて練習を頑張っていました。最近は筋トレにはまっていて、実習の後、ジムに行き汗を流してリフレッシュしています。トレーニングすることでストレスの発散になり、気分が整うことで勉強への集中力も増して、良い相乗効果が得られています。
Q. 受験勉強はどのようなことを意識していましたか?
毎日の生活習慣を整えて、早寝早起きを心がけました。また、その日に何時間勉強したかではなく、何を勉強できたか、をより強く意識するようにしていました。勉強時間に気をとられすぎると、長い時間勉強したこと自体に満足してしまうため、それよりも内容や質を重視した方がいいと思います。
Q. 高校生のうちに身につけるべきことは?
友人と協力して何かを成し遂げたという経験を積んでおくと良いと思います。部活動でも委員会活動でも文化祭でも何でも構いません。積極的に参加し、決して手を抜かないようにしましょう。そこで頑張った結果や得た経験は大きな糧となり、将来何か成し遂げようとするときの自信と力になると思います。
受験生へのメッセージ
受験は辛く、長い戦いです。合格のためには絶え間ない努力に加えて、運も必要になってきます。途中でくじけそうになってしまうときもあるでしょう。しかし、辛いのは自分一人だけではありません。同級生の友人や、サポートしてくれる家族、学校や塾の先生方も一緒に戦ってくれています。私もかつて周りの人達に何度も支えてもらいました。辛くてめげそうな時は、一人じゃないということをぜひ思い出してみてください。

※2023年4月時点のインタビューです。