医学部の入試パターンって?国公立大学医学部の一般選抜

【後期】2次試験は小論文と面接が定番

ここからは後期日程について説明していきます。

前期が「学科試験と面接」での選抜が基本であるのに対し、後期は学科試験を課さない大学が大半です。「小論文あるいは総合問題と面接」の大学が半数の8校で、山形大、名古屋大、佐賀大の3校は「面接のみ」です。

国公立大学医学部の2次試験の出題科目(後期)

また、数は少ないものの後期で学科試験を課す大学は5校あります。千葉大、山梨大、奈良県立医科大は「英語、数学、理科2科目と面接」のパターンです。山梨大はこれまで英語を課していませんでしたが、2024年度から追加し、それに合わせて理科や面接等の配点も変更しています。旭川医科大、宮崎大は「英語と面接」のみです。

【後期】共通テストと2次試験の配点比率

前述の通り、後期の2次試験は小論文や面接が主で、共通テストを重視した配点の大学が多くみられます。学科試験のある大学でも、旭川医科大と宮崎大は共通テスト重視の配点比率です。後期は前期よりもさらに、共通テストの得点に合否が左右されがちと言えます。

国公立大学医学部の共通テストの割合(後期)

後期で2次試験重視の配点なのは千葉大、山梨大、奈良県立医科大の3校のみで、すべて学科試験のある大学です。これらの大学は例年、2次試験での逆転合格を狙う受験生が集中し、高倍率となる傾向にあります。中でも山梨大は2024年度から新たに英語を追加するとし、それに合わせて共通テストと2次試験の配点を変更します。これにより2次比率は71.9%と、これまでよりもさらに2次重視の配点比率となりました。

なお、後期は全体的に高倍率になりがちで、2023年度の志願倍率(志願者数/募集人員)は21.5倍となっています。しかし、第1段階選抜の不合格者や前期、私立大合格による受験辞退者が多く、実質倍率(受験者数/合格者数)は3.4倍まで低下しています。これは前期の実質倍率(3.3倍)とほぼ同じくらいです。

大学によってばらつきはありますが、共通テストで高得点を取り、後期の第1段階選抜を通過すれば、たとえ前期で不合格になってしまっても、もう一度大きなチャンスが残っているということになります。

共通テスト英語のリーディングとリスニングの配点比率

センター試験における英語の素点(センター試験の配点)は、筆記200点、リスニング50点の合計250点で、それを200点満点に換算(筆記160点、リスニング40点)して選抜に利用する大学がほとんどでした。共通テストでは、筆記に代わるリーディングが100点、リスニングが100点となり、各大学の選抜に利用する換算得点は、大きく3つのパターンに分かれました。

共通テスト英語の配点比率(リーディング:リスニング)

国公立大医学部医学科全50校のうち、最も多いのはこれまで同様4:1に換算するパターンで、全体の4割以上(22校)を占めます。次に多いのが3:1の13校で、1:1の12校が続きます。それ以外の3校はそれぞれ独自の配点を設定していますが、他の多くと同様リーディング重視の配点比率です。

素点通りの1:1は全体の約4分の1にとどまる形となりましたが、多くの大学でセンター試験時代以上にリスニングの得点が重要になったことには違いありません。しっかりと対策して本番に臨むようにしましょう。