私立医学部の一般入試

※下記の各内容は、2020年度入試の変更点(判明分)を反映しています。

一般入試の概要

私立大学の医学部医学科は全国で31校あります(この他に準大学の防衛医科大学校があります)。一般入試(センター試験利用入試や推薦入試・AO入試など以外)の学科試験については、主な募集枠では国公立と同様に英語・数学・理科2科目が必須の4科目型が基本です。例外としては、帝京大と東海大のみが3科目型の入試ですが、科目数が少ないことが、この2校での例年の高倍率に結びついています。

学科試験以外では、全大学で面接が必須で、また小論文も大半の大学で受験が必要です。医学部の場合、国公立ではセンター試験で国語が必須ですし、私立でも小論文が必須の大学が多いため、「国語力は不可欠」と言えます。これは、将来医師となった際の患者や家族、さらに他の医療スタッフとのコミュニケーションにおいて、また学会での発表や論文執筆などで必要となるためです。

一般入試の配点については、各科目が均等配点の大学が多く、結果として理科の2科目で全体の半分の配点を占めるため、私立の医学部では理科が重要科目です。

センター試験利用の入試も、約半数の大学が実施しています。ただし産業医科大は国公立と同様の入試システムを採用していますので、センター試験の受験が必須となります。【図表①参照】

私立医学部の入試

一般入試の配点

前述の通り、帝京大と東海大の2校以外は理科が2科目必須で、かつ各科目が均等配点の大学が多くなっています。従って、2科目の理科だけで満点中の半分を占めることになります。理科が全配点の4割以上の大学も含めると、理科重視の大学は31校中の25校を数えます。

このように、私立の医学部では理科が合否を左右すると言っても過言ではありません。医学部の合格者は元々、浪人生の比率が高いのですが、国公立と私立で比較すると、私立の浪人生比率が国公立よりも高くなっています。これは、配点の高い理科対策の完成度の差が主な要因であり、私立の医学部入試で現役生が苦戦している状況が伺えます。高難度・高倍率の私立の医学部に現役で合格するためには、「先取り学習」が不可欠で、数学や英語も含めて高校2年生までに基礎的な内容は終えておくのが賢明です。【図表②参照】

私立一般入試の配点

一般入試複数受験の可否

次に、一般入試(センター試験利用入試を含む)において、同一大学を複数受験出来るかについてです。一般入試の中で複数の方式・日程を設定している大学、一般入試とセンター試験利用入試で併願可能な大学は、合計で全体の2/3にあたる20校を数えます。順天堂大・愛知医科大・大阪医科大など10校では3方式(日程)以上の併願(複数受験)が可能です。

一方で、慶應義塾大や東京慈恵会医科大などの11校は、一般入試で受験出来るのは一つの方式・日程のみとなっています。【図表③参照】

私立一般入試複数受験の可否

センター試験利用方式

続いて、センター試験利用方式の必要教科数をみてみましょう。一般入試は前述の通りに3教科4科目型が定番ですが、センター試験利用入試については国語を含む4教科以上を課す大学が多くなっています。また実施大学の18校のうち、半数の9校では国公立と同様に5教科必須としています。一般入試と同様の3教科で受験出来るのは、5校にとどまっています。

また、センター試験利用入試を実施せず、一般入試のみを行っている大学も13校あります。【図表④参照】

私立センター試験利用方式

私立の学費

ここからは、各大学の学費についてです。傾向としては、私立の医学部では難易度と学費が概ね「反比例」の関係にあります。6年間にかかる学費の総額は、全大学の平均で3000万円を超えており、国立大学(約350万円)のほぼ10倍に相当する金額です。ただし、私立の医学部の学費は個々の大学によって金額に大きな差があります。2000万円前後の大学もあれば、4000万円前後の大学もあります。私立の難易度は、伝統や実績などに加えて、学費も一つの要因となります。

17年度に新設の国際医療福祉大は、通常の学費が6年間で1850万円と、私立の医学部では最安の金額が設定されました。さらに特待奨学生で最安の場合は300万円で、国立大学よりも安いことになります。【図表⑤参照】

私立の学費