執筆者 坂口 幸世
(代々木ゼミナール主幹研究員)
戦後の新制大学は昭和24年[1949]からスタートした(一部大学はその前年)が、医学系教育機関は特別な経過をたどった。GHQ公衆衛生福祉局の指導のもと、旧制医学専門学校の適格検査が行われた。
A級と判定された学校は旧制大学に昇格し、昭和27年[1952]から新制の医学部となった。B級の医専は廃校となった。在籍学生は試験を受けたうえで、A級学校の1年下級へ、同程度の大学予科へ、臨時的に設置された旧制高校(特設高等学校)へのいずれかを選択することとなった。戦時期に設立された医専は急ごしらえで、設備も十分ではなく、戦災でそれさえも灰燼に帰してしまったところもあり、いくつかはB級判定を受けた。
![昭和27年[1952]の新制医学部設置状況](/wp-content/uploads/2015/07/it201507-08.png)