執筆者 坂口 幸世
(代々木ゼミナール主幹研究員)
官立の医学専門学校は大正11年[1922]から翌年にかけて大学に昇格した。私立熊本医学校は大正11年[1922]県立に移管され大学に昇格した(のち官立に移管されて現在の熊本大学医学部へと続く)。
![昭和3年[1928]の医学部・医専設置状況](/wp-content/uploads/2015/07/it201507-06.png)
官立と公立はすべて「大学」となったが、私立でこの時期に大学に昇格したのは日本医科大学のみである。医師の養成だけを目的とするならば、認可のハードルの高い大学となることを目指さず、医師試験免除の認定を受けた医学専門学校で十分とする戦略もあったのだろう。
昭和初期の特徴は私立の医学専門学校の設立ブームである。東京で3校のほか、大阪に2校、岩手1校、福岡1校。現在の大学名で示せば、日本大学、東邦大学、昭和大学、大阪医科大学、関西医科大学、岩手医科大学、久留米大学である。
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