「2019東大入試状況」一覧
出願状況
2019年度の前期日程の志願者数は全6科類の合計で2018年度よりも192人、率にして2.0%減少の9,483人でした。志願者の減少は2016年度以来で3年ぶりのことです。前回の2018年度が2013年度以降では最多の人数(9,675人)でしたが、今回の2019年度の人数は4~5年前の2014・2015年度頃の水準です。2014年度からの3年間を振り返ると、2014・2015年度で2年続けて増加したあとに2016年度では減少に転じており、直近の3年間(2017年度以降)と同じ状況でした。2014年度以降は、「2年続けて増加、3年目に減少」という状況が繰り返されています。
今回の減少の一番の要因は、受験生の「安全志向」といえるでしょう。他大学の増減(前期日程分)をみても、旧帝大クラスでは北海道・東京工業・名古屋・九州大がほぼ横ばいではあるものの、残りの大学は東大を含めて全て志願者が減少しています。国立大で増加した主な大学は筑波・神戸・長崎・熊本大などで、国立大の中では2番手以下の大学です。私立大の状況をみても、早慶上智・GMARCHクラスは大半が減少しており、増えているのは中堅以下の大学が主体となっています。今回の2019年度はセンター試験の平均点アップという側面もありましたが、東大などの国立難関大にチャレンジするといった状況はみられませんでした。
前期日程の志願者は減少となりましたが、第1段階選抜は全ての科類で実施されました。今回と同様に3年ぶりの減少となった2016年度は文科一類などの3科類で不実施でしたが、そのような状況とはなりませんでした。また、2016年度からは後期の募集が廃止され、代わって推薦入試が実施されています。推薦入試の志願動向は、募集人員100人程度に対し、合計の志願倍率は4回とも2倍を切る状況です。【図表①②参照】