「2023京大入試状況」一覧
志願者は減少するも合格者は増加、過去2番目に低い倍率に
導入から8年目を迎えた2023年度の特色入試は、法学部後期日程を除くと、全体の志願者が486人、合格者が113人で倍率は4.3倍でした。志願者は昨年度よりも減少し、これで3年連続の減少です。
今年度の受験生は、コロナ禍で高校に入学した世代でもあるため、課外活動等が制限されたことで、出願を諦めるケースが例年より多かった可能性があるとも考えられます。一方で、合格者は昨年から+18人と増加したことで、2017年度に次いで低い倍率となりました。
志願者の減少が目立つのは経済学部です。経済学部は、今年度から「総合型選抜」→「学校推薦型選抜」に変更されたことで、出願には学校長の推薦が必要となりました。また、選抜は文系型入試・理系型入試と分かれ、各学校が推薦できる人数は、文系型・理系型それぞれ2人までという条件も付されたため、志願者が減少したと考えられます。
文系型は募集人員15人のところ志願者は23人、理系型は募集人員10人のところ志願者は4人と、理系型志願者の少なさが目立つ形でした。ただ、合格者数は、文系型13人、理系型2人の合計15人で、昨年の合格者数と変わらない結果となりました。
志願者・合格者ともに増加が目立ったのは工学部工業化学科です。募集人員を7人→10人に増やし、各学校が推薦できる人数も1人→2人に増やした結果、志願者は5人→18人に増加し、過去最多の志願者数でした。さらに、合格者も3人→13人に増加、こちらも過去最多であり、特色入試開始以降初めて募集人員を満たす形となりました
例年志願者が多く、倍率が高くなる傾向がある理学部[数理科学入試]は、今年は昨年から志願者が18人減少し、倍率は8.5倍とこれまでで最も低い倍率でした。
一方で、教育学部は最終合格者が1人のみにとどまり、倍率は23.0倍と全学部で最も高くなりました。また、農学部食品生物科学科は今年も合格者が出ず、これで3年連続で合格者が0人という結果でした。
また、この特色入試という区分で、京都大学で唯一後期日程にも入試が実施されているのが、法学部です。出願日程や試験の形式は一般選抜の後期日程と同様であり、例年多くの志願者が集まっています。
今年度の志願者は410人で、昨年度から+50人の増加となりました。倍率(志願者数/合格者数)は18.6倍と、例年同様に高い倍率となっています。
ただし、後期日程は前期日程での合格等により、実際の受験者数は大きく減ることになります。今年度の受験者は48人とこれまでで最も少ない人数で、実質倍率(受験者数/合格者数)は2.2倍とこちらも最も低い数字となりました。
このようにこれまで志願者を集めてきた法学部の特色入試ですが、2025年度入試から学校推薦型選抜に変更されます。これにより、京都大学での後期日程の実施は、来年2024年度入試が最後となります。