「2023京大入試状況」一覧
志願者総数は2年連続で増加、理系学部の増加が目立つ
2023年度の京都大学一般選抜志願者数は全体で7,417人となり、昨年度から207人増加しました。一昨年度まで続いていた減少傾向から、2年連続増加に転じています。また、第1段階選抜不合格者も昨年度から20人増加し95人でした。最多は経済学部[理系]の32人です。
同じ近畿地区内の難関大である大阪大・神戸大の志願者が昨年度から減少する中で、京大は増加となりました。昨年度大きく難化した共通テストの平均点が今年度はやや回復したことなどから、京大出願に踏み切った層もいたかもしれません。また一方で、東大の志願者が昨年度から減少しており、共通テストの結果を受けて東大から京大に出願変更した層がいたとも考えられます。
文系学部では、増加したのは総合人間学部[文系]と経済学部[文系]です。昨年度、総合人間学部[文系]の志願者は2005年度以降で最少、経済学部[文系]の志願者は2005年度以降で2番目の少なさと、ともに減少していた反動が一因と考えられます。
一方、文学部・教育学部[文系]・法学部は減少しています。文学部はこれで4年連続の減少となり、志願倍率は2.9倍でした。3倍を下回るのは2016年度以来です。また、法学部は志願者が686人と2005年度以降初めて700人を下回り、最低値を更新しました。2006年度以降志願倍率は3倍を下回っており、依然として低倍率が続いている状態です。
理系学部では、理学部・医学部医学科・医学部人間健康科学科・教育学部[理系]・経済学部[理系]・農学部が増加しています。理学部・医学部医学科は、2005年度以降で最少の志願者数だった昨年度からの反動増とみられます。
また、両学部は共通テストの得点によって第1段階選抜を実施するため、共通テスト平均点の上昇で、出願を控える層が少なくなったとも考えられます。とはいえ、ともに志願倍率は過去5年間3倍未満であり、水準は高くない状況が続いています。
医学部人間健康科学科は、学科一括募集実施以降では変更初年度の2017年度に次ぐ志願者が集まりました。また経済学部[理系]も、2009年度の募集開始以降で2017年度に次いで2番目に多い志願者数となり、志願倍率も昨年度から大きく上昇して約6倍という高倍率でした。
一方、総合人間学部[理系]・薬学部は減少していますが、昨年度増加の反動減とみられます。工学部もやや減少はしていますがほぼ横ばいで、理系学部では増加した学部が多くなっています。
工学部を学科ごとに見ると、増加が目立つのは地球工学科です。昨年度大きく増加しましたが今年度も増加傾向が続く形となり、過去10年間で最も多い志願者数となりました。また、情報学科はほぼ横ばいですが、2017年度以降4倍を超える高倍率を維持しており、受験生からの人気の高さがうかがえます。
一方、電気電子工学科・工業化学科は減少率が大きくなっています。電気電子工学科は昨年度大きく増加した反動減とみられますが、工業化学科はこれで9年連続の減少と減少傾向が止まらず、2005年度以降初めて300人を下回って、志願倍率は1.3倍まで低下しました。