「2024京大入試状況」一覧
志願者はやや増加したが過去2番目に低い倍率。
法学部後期日程は今年度で廃止導入から9年目を迎えた2024年度特色入試は、法学部後期日程を除くと、全体の志願者が500人、合格者が119人で倍率は4.2倍でした。昨年度まで3年連続で志願者が減少していましたが、今年度はやや増加に転じています。
昨年度・一昨年度はコロナ禍の影響で特に課外活動等が制限された学年でしたが、今年度からはそうしたケースが少なくなってきたかもしれません。また、合格者も昨年から+6人と増加し、倍率としては2017年度に次いで低くなりました。
志願者の増加が目立つのは経済学部[理系型]、農学部食料・環境経済学科です。経済学部は昨年度から学校推薦型選抜に変更され、各学校が推薦できる人数に制限が課されたこともあり、[理系型]の昨年度の志願者は募集を下回る4人でしたが、今年度は募集を上回る15人に増加しました。合格者も5人と、募集を満たしてはいないものの昨年度から増加しています。
ただし経済学部については、来年度から共通テスト利用科目の制限がやや緩和される形に変更される一方、男子に関しては各学校が推薦できる人数が1人までと限定されるため、志願状況にも影響が及ぶかもしれません。
農学部食料・環境経済学科は導入初年度である2016年度から特色入試が実施されていますが、過去最多の志願者が集まりました。しかし、合格者は募集を満たさず、倍率(志願者数/合格者数)は10倍を超えました。
一方、志願者の減少が目立ったのは理学部[生物科学入試]です。2021年度から募集開始となり昨年度は最多の志願者(35人)が集まりましたが、今年度は10人以上減少しました。とはいえ2021・2022年度よりも多く、合格者は募集を満たしています。
また、農学部食品生物科学科は今年も合格者が0人で、これで4年連続合格者がいないという結果となりました。かたや、薬学部薬学科は2018年度の募集開始以降、初めて合格者が募集を満たしました。
この特色入試という区分で、京都大学で唯一の後期日程として入試が実施されているのが法学部です。例年多くの志願者が集まっており、今年度の志願者は406人で倍率(志願者数/合格者数)は19.3倍と、例年同様に高倍率でした。
しかし、法学部の特色入試は来年度から学校推薦型選抜に変更され、京都大学の後期日程入試は行われなくなることになります。入試日程や試験形式が変わり各学校から推薦可能な人数も制限されることで、志願者は大きく減少すると見込まれますが、同様の募集人員(20人)を満たす合格者が出るか注目です。
ただ、後期日程は前期日程等での合格により実際の受験者は志願者に比べてかなり少なくなるため、2024年度も実質倍率(受験者数/合格者数)は1.8倍という低倍率でした。他学部の特色入試の結果を見ると、競争率に関しては現在と同程度か高くなるとも考えられます。
さらに2026年度からは理学部・工学部の特色入試が変更され、「一般枠」「女性募集枠」と2枠の募集となる予定(工学部建築学科を除く)です。募集人員もやや増えるため特色入試での合格のチャンスは拡大することになりますが、一般選抜の募集人員はその分減少することになりそうです。