医学部面接AtoZ~基礎知識と対策法~

「医学部面接の対策法」

▶ アドミッション・ポリシーの重要性
単なる言葉の羅列ではなく大学からの力強いメッセージ

面接に臨むにあたって確認しておかなければならないのが、大学のアドミッション・ポリシーや建学の精神です。これらは大学側から受験生に向けた力強いメッセージですので、しっかりと内容を理解したうえで面接に臨むようにしましょう。

また、大学側の「求める人材」は次のようなものがあります。

横浜市立大 柔軟性と協調性を備えた高いコミュニケーション能力を有する人
京都大 高い倫理性と豊かな人間性を備え、他者との協調性を持っている人
順天堂大 自ら問題を発見し、知的好奇心を持って、自主的に課題に取り組むことができる人

医師には、患者さんやその家族の気持ち・痛み・苦しみを理解するような思いやりの心をもつことが求められます。また、わかりやすい説明・指示を行い、的確な回答をする能力も必要です。

医師が対応するのは一部の年代の人たちに限りません。患者さんや家族、スタッフも含めて幅広い年代の人との対応が求められることを認識しましょう。

▶ 医学部・医師を目指す理由
自らの意志で能動的に決めることが大切

医師になることを家族や先生から勧められることもありますが、そのような受動的な理由だけを面接官に伝えるのはよくないでしょう。また、自身や家族の病気やケガ、家庭環境によって志望したとするのは「きっかけ」としてはよいものの説得力に欠けてしまいます。

体験・昔話・環境を語るだけではなく、「なぜ医師になりたいのか」、「どんな医師になりたいのか」を深く考えて、自分自身の言葉で語りましょう。

▶ 各大学の志望理由
「どこでもいい」ではなく、「この大学で」、「育てたい・貢献してくれる」の評価を

各大学の志望理由は、各大学が目指す方向性(研究重視や地域医療重視など)に沿うのが理想です。「なぜ本学なのか」、「そういう大学は他にもたくさんある」といった問い掛けにも明確に答えられるように準備しておくことが大切です。

また、遠方の大学の場合、「どうしてこんな遠くの大学を」とよく質問されますが、「ここしかなかった」という回答は厳禁です。自らの意欲・熱意を示すことができる回答を心掛けましょう。

▶ 回答は具体的に、個性的に
ありふれた内容ではなくオリジナルの回答を心がける

各大学の志望理由が「大学案内の受け売り」だけでは、面接官に「聞き飽きた」という印象を与えてしまいます。オープンキャンパスや説明会での情報など、時間と手間をかけて知った大学独自の取り組みや、力を入れていることなども含めて、オリジナルの志望理由を語るように心掛けましょう。

面接では、面接官との「対話」を心掛け、当日の質疑応答は柔軟に回答するようにしましょう。

▶ 面接本番に向けての意識と心の準備
一見無関係に見える変化球型の質問もすべて医療に深く関連する

医学部の面接では時として、「変化球型の質問」があります。一見すると医療に無関係に思えますが、どれも意図のある質問です。面接官は手を替え、品を替えて医師としての適性や覚悟、対応力を試してきます。予想外の質問で困惑することもあるかもしれませんが、焦らず的確に回答する必要があります。

具体例を見てみましょう。

群馬大 円高を小学生にどう説明するか
東邦大 指定された絵と同じものを言葉だけで説明して他人に描かせる

この東邦大の課題の狙いは、「患者さんや他のスタッフに正確かつ的確な説明・指示ができるか」ということでしょう。また、対人関係の対処法に関する質問も多くあります。

そのような質問は患者さんやその家族、現場のスタッフとのコミュニケーションなどを想定していると理解しましょう。

▶ まとめ・対策と日頃の準備
医学部対策に「早すぎる」は存在しない。日頃の積み重ねでライバルに差をつけよう

まずは医療だけでなく社会全般に興味のアンテナを立てておきましょう。新聞・ニュースなどで知識を増やすことに加えて、自分の意見を持ち、定期的に発表することを習慣にしましょう。

課外活動やボランティア、医療体験などにも積極的に参加しながら、経験値や引き出しを増やしていきましょう。このような日々の積み重ねがいずれ大きな財産となり、ライバルとの差となります。

執筆者 加藤 広行
(代々木ゼミナール主幹)