推薦入試の出願状況

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推薦入試の出願状況

2016年度から推薦入試が実施されています。2020年度までの募集概要は以下の通りです。

(1)募集人員は医学部医学科を含む合計100人程度
(2)センター試験の基準は概ね8割以上(医学部医学科は900点中の780点程度)
(3)浪人生も出願可で、1校当たり男女各1人(1校最大2人)まで

5回目の実施となった2020年度の実施状況をみてみましょう。志願者数は全学部・学科の合計で173人となり、前回の185人からは12人の減少(過去5回は173人→173人→179人→185人→173人で推移)となりました。また今回の志願倍率も1.7倍で、全5回とも2倍に満たない状況です。2回目以降の募集要項においては「出願要件は『例示である』ことを明記」などの変更がされてはいますが、上記の通り1校からの推薦人員が最大2人であったことも少なからず影響しているようです。また、募集要項の表記上の変更などはあったものの、受験生や高等学校の側からすると「出願要件のハードルは高い」という意識が強いと考えられます。大学からも「志願者数や合格者数は依然として少ない。これは我々の努力不足と認識している」とのコメントがありました。【図表⑰参照】

【図表17】推薦入試学部別志願者数・合格者数

全体の志願倍率はいずれも2倍未満ですが、学部・学科により状況は大きく異なります。全5回を通して倍率が高いのは概ね教養学部で、理学部・法学部なども志願倍率が高い傾向にあります。一方で医学部・健康総合科学科は5回とも志願者数が2人以下(倍率は1倍未満)でした。志願者数の多い・少ない(倍率の高い・低い)については、「語学資格の明確な基準の有無」も影響しているようです。志願者数の多い教養・理・法の各学部では、「出願にあたって学部が求める書類・資料」の「語学資格」について「□□点以上」などの明確な基準点はありません。一方で倍率の低い医学部・健康総合科学科では、医学科と同じ基準点が設定されており、高度な語学力が必要となっています。今後も各学部の出願要件などが見直されるかが、引き続き大きな注目点です。【図表⑱参照】

【図表18】推薦入試の志願者倍率(志願者数/募集人員)

大学からは、出願のあった高等学校数も公表されています。今回は全国の147校(前回は165校)から出願があり、過去5回は151校→159校→155校→165校→147校で推移しています。