「2019東大入試状況」一覧
大学から公表された合格者成績
大学から公表された合格者成績をみてみましょう。各年度のセンター試験の難易度に変化はありますが、2010年度からの10年間をみると、「3つの区分」に分けられます。1つ目は2012年度以前の時期で、最低点の得点率は概ね75%から85%と文科・理科ともにこの10年間では高い点数でした。
2つ目は2013年度からの4年間で、志願者数や倍率の状況などから、第1段階選抜が不実施(特に文科)となるケースもみられました。点数自体も、2012年度以前は科類によっては85%程度の高水準のこともありましたが、2013年度以降は実施されても最低点が40%台や50%台もあるといった状況でした。この時期においても、今回2019年度の志願動向でみられた受験生の「安全志向」などが影響していました。
3つ目が2017年度以降の区分で、2013~2016年度とは異なる状況にあります。この3年間は全ての科類で第1段階選抜が実施されており、同時に合格最低点についても、2017年度以降は点数の上昇傾向にあります。今回の2019年度についても、センター試験の平均点アップの影響から点数が上昇した科類が多くなっています。文科三類は志願者が3年連続で減少となりましたが、最低点は今回も上昇して得点率で約83%となりました。
第1段階選抜を通過するためには、文科一類と理科三類では70%前後のケースもありますが、1つの目安としては80%以上となります。とはいっても、この点数は「最低でも」という位置付けです。最終的に合格するためにはセンター試験も軽視せず、1点でも多く得点することが必須条件となります。【図表①⑤参照】