「2018東大入試状況」一覧
大学から公表された合格者成績
大学から公表された合格者成績をみてみましょう。各年度のセンター試験の難易度に変化はありますが、長期的にみると第1段階選抜の合格最低点は下降傾向(特に文科一類と理科三類)にあります。2009年度から2012年度までは、最低点の得点率は概ね75%から85%の範囲にありましたが、2013年度以降は状況が変わっています。志願者数の状況から、第1段階選抜が不実施となるケースも散見されます。点数自体も、2012年度までは科類によっては85%程度の高水準のこともありましたが、2013年度以降は実施されても最低点が40%台や50%台の場合もあり、概ね80%取れていれば、どの科類でも第1段階選抜を通過できています。前の項目でも述べた通り、受験人口の減少や東大以外に出願する安全志向などがみてとれます。
ただし志願状況と同様に、前回の2017年度からの2年間については、2013~2016年度とは異なる状況になっています。前回の2017年度に全6科類で第1段階選抜が3年ぶりに実施されたのに続き、今回の2018年度も全6科類で実施され、面接復活の理科三類を除いて各類の合格最低点が上昇しました。各科類の合格最低点をみると、文科一類と理科三類以外は80%前後がボーダーラインでした。文科二類が得点率で約9%の上昇、理科一類の約6%の上昇が目立ちますが、志願者が減少した文科三類においても最低点が1%近く上昇しました。年度・科類によって第1段階選抜の不実施や低得点で合格できた状況は、過去のものとなっています。【図表①⑤参照】