一般選抜 出身地別割合

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志願者・合格者ともに近畿出身者の割合は後期日程廃止以降で最低に

京都大学一般選抜における志願者の出身地別割合は、例年地元近畿が最も高く50%弱を占めていますが、今年度は-2.3%と低下し、2009年度以降で最も低い数値となりました。志願者数最多の大阪(1,298人)こそ増加していますが、兵庫(708人)や京都(691人)などは微減となっています。

一方、近年上昇傾向がみられるのが関東です。今年度は2009年度以降の最高値を更新し、ほぼ2割を占めました。2009年度の12.0%からは+7.9%上昇しています。関東で最多の志願者数を占める東京(772人)や神奈川(266人)、埼玉(187人)はいずれも過去5年で最多の志願者が集まりました。

京都大学 一般選抜(前期日程) 出身地別志願状況

入学者の割合も概ね志願者と同様の比率となっています。今年度の近畿は-1.6%減少し、一昨年度と同じく再び50%を下回り、2009年度以降で最低値となりました。入学者数最多の大阪(450人)や京都(295人)は昨年度から微増し、京都は過去5年でも最多となりましたが、それ以外は兵庫(295人)などやや減少が目立つ形です。

また、これまでは志願者の割合が関東>中部であるのに対し入学者の割合は中部>関東となっていましたが、今年度は入学者でも関東が中部を上回りました。

京都大学 一般選抜(前期日程) 出身地別入学状況

総合人間学部や文学部、理学部は近畿以外も多い一方で、医学部医学科は地元が多数

出身地別の入学状況を学部別に見てみると、学部によって出身地の割合は異なっており、例年近畿の割合が相対的に低い傾向がみられるのが、総合人間学部や文学部、理学部です。今年度は、総合人間学部・文学部・理学部いずれも近畿が40%を下回りました。また、総合人間学部は関東が33.6%、文学部は関東が23.8%で、他学部・学科と比べて関東出身者が多いことがわかります。

一方、例年近畿の割合が高い傾向にあるのが医学部医学科です。78.7%とかなり高くなった昨年度よりは減少しましたが、今年度も67.3%と3分の2以上が近畿出身者です。ただしその中で、関東は2019年度以来となる10%超で、過去10年での最高値を記録しました。

2024年度 京都大学 一般選抜 学部・出身地別入学状況

学部別に志願者における近畿出身者の割合もみてみると、総合人間学部が最も低く、医学部医学科が最も高くなっています。総合人間学部は、他大学では同様の学部が一般的に設置されているわけではないことなどから、地元以外の地域出身者にとっては魅力的に見えるのかもしれません。

一方で医学部医学科は、全国に医学部を有する大学が存在するため、一定の地域的すみわけが成立しているとも考えられそうです。また、志願者の割合よりも入学者の割合が高くなっていることから、特に医学部医学科では近畿出身の力のある受験生が集まっていることがうかがえます。

2024年度 京都大学 一般選抜 近畿地区志願者割合

地元近畿は合格率でも優勢、関東は東京を中心に苦戦がうかがえる

出身地別の合格率(入学者数÷志願者数 ※出身地別の合格者数は非公表)では、近畿が高い傾向です。志願者数で半数近くを占める近畿ですが、その中でも地元の高学力層が数多く京大に挑戦していることがうかがえます。また、中部も高い傾向にありますが、今年度は昨年度からの低下が目立ち、2009年度以降で最も低い合格率となりました。

京都大学 一般選抜(前期日程) 出身地別合格率

一方、志願者が2番目に多い関東は他地域と比較すると合格率が低く、受験生が苦戦しているとみられます。今年度は、これまで上昇傾向がうかがえた東京や東京に次ぐ志願者数である神奈川の合格率も低下しました。学力最上位層は東大を目指し、それに次ぐ層が京大にチャレンジするという図式になった結果、合格率が低めである状況なのかもしれません。

ただし、全体の合格率と関東の合格率の差を見てみると、以前よりはその差が小さくなっており、受験者層にやや変化が生じているとみることもできそうです。

京都大学 一般選抜(前期日程) 関東地区合格率
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