一般選抜 男女別割合

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志願者女子割合は過去10年で最低、一方で工学部の女子志願者は過去最多

2024年度一般選抜前期日程の女子志願者は1,783人で昨年度から83人増加しましたが、全志願者の女子割合は昨年度からわずかに低下、過去10年で最も低い割合でした。女子合格者は602人 → 571人と減少し、全合格者の女子割合も22.2% → 21.1%とやや低下しました。

京都大学 一般選抜(前期日程) 女子志願者・合格者

学部学科別に志願者の女子割合をみると、例年最も高いのは医学部人間健康科学科です。ただ、以前と比べるとその割合は低下しており、昨年度から2年連続で50%を下回り、男子が半数以上を占めています。

医学部人間健康科学科に次いで女子割合が高いのが教育学部[文系]・文学部です。教育学部は募集人員が少ない分増減の波がありますが安定して40%は超えており、今年度も同様の結果でした。また教育学部[理系]も今年度は40%を超えています。

一方、女子割合が低いのが工学部と理学部です。その中でも工学部は例年最も低くなっていたのですが、今年度は2005年度以降で最多の女子志願者が集まり、女子割合も最高値を更新、わずかですが理学部を上回りました。2005年度以降緩やかな上昇傾向もうかがえ、2005年度の7.9%と比べると+4.7%上昇しています。

京都大学 一般選抜(前期日程) 志願者女子割合

合格者女子割合の高い学部・学科は例年同様、工学部は過去最高値

学部学科別の合格者の女子割合では、上位は①教育学部[文系]、②教育学部[理系]、③農学部食品生物科学科、④医学部人間健康科学科、⑤文学部と続いています。年度による上下はあるものの、概ねいずれも例年、比較的女子に人気のある学部・学科です。

2023年度 京都大学 一般選抜(前期日程) 男女別合格者

過去10年の合格者の女子割合をみると、文系学部では教育学部・文学部が高く、経済学部が低い傾向です。文学部が概ね40%を上回っているのに対して、経済学部は20%を下回ることがほとんどです。文学部は昨年度に過去10年で最も高くなりましたが、今年度は低下し例年と同水準でした。また、昨年度は2005年度以降で最も高かった法学部もやや低下しています。

理系学部では医学部人間健康科学科が最も高く、工学部・理学部が低くなっています。ただし志願者と同様に、医学部人間健康科学科は低下傾向である一方で、工学部と理学部は昨年度から上昇しています。理学部は5年ぶりに10%を上回り、工学部は2005年度以降で初めて10%を超えました。

また、工学部と農学部は学科別に合格者の女子割合が公表されていますが、例年女子に人気があり割合が高いのは、工学部では建築学科、農学部では食品生物科学科です。今年度も同様の結果でした。

その中で今年度は、工業化学科から名称を変更した影響もあったのか工学部理工化学科が2005年度以降で最も高くなりました。一方、農学部の中では比較的低めである地域環境工学科は、2005年度以降で初めて10%を下回り他学科と大きく差が開きました。

京都大学 一般選抜(前期日程) 合格者女子割合①
京都大学 一般選抜(前期日程) 合格者女子割合②

合格率の男女差は昨年度よりやや拡大、ただし工学部・理学部では男女差が縮小

男女別の合格率(合格者÷志願者)を比較すると、今年度は志願者増加に伴い男子・女子ともに低下しましたが、女子の低下幅の方が大きく男女差が拡大しました。過去10年で最も男女差が小さくなった昨年度よりは女子受験生が苦戦したとみられます。特に薬学部は男子が女子を大きく上回り、過去10年で2015年度に次いで差が開きました。

また、男子志願者が圧倒的に多い工学部や理学部は男子が女子の合格率を大きく上回っており、志願者の集まり具合が合格率にも影響していることがうかがえますが、今年度は工学部・理学部ともに例年よりも男女差が小さくなりました。特に理学部は過去10年でその差が最小となっており、力のある女子受験生が多かったと考えられます。

京都大学 一般選抜(前期日程) 男女別合格率
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