一般選抜 志願状況

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志願者総数は3年連続で増加、過去10年では最も高い志願倍率に

2024年度の京都大学一般選抜志願者数は全体で7,800人となり、昨年度から383人増加しました。2021年度までは減少が続いていましたが、これで3年連続の増加です。特色入試の欠員を含めた最終的な募集人員でみた志願倍率は、過去10年で最も高くなりました。

同じ近畿地区内の難関大である大阪大の志願者が昨年度から減少した中で京大は増加しており、共通テストの平均点が昨年度からやや上昇したことなどから、京大出願に踏み切った層もいたかもしれません。

京都大学一般選抜(前期日程) 志願者・志願倍率

学部・学科別にみると、増加幅が大きいのは工学部理工化学科(対前年122.0%)、総合人間学部[理系](対前年115.6%)などである一方、減少幅が大きいのは教育学部[理系](対前年76.2%)、工学部情報学科(対前年89.0%)などでした。志願者数としては、法学部(+80人)や工学部物理工学科(+71人)の増加が目立ちます。

また、第1段階選抜不合格者は昨年度から6人減少し89人でした。最多は総合人間学部[理系]の36人です。なお今年度、理学部が第1段階選抜実施方法を「共通テスト900点満点中概ね70%以上の者」→「予告倍率(3.0倍)を超えた場合に実施」と変更したことで、昨年度までの得点不足による不合格者は出なくなりました。

2024年度京都大学一般選抜(前期日程) 実施状況

文系に類する学部・学科は、すべて昨年度から志願者が増加しました。中でも増加が目立つのは経済学部[文系]、法学部です。

経済学部[文系]の志願者は過去10年では最多の575人、志願倍率も2013年度以来となる3倍を超える倍率となりました。

法学部は昨年度、2005年度以降で初めて志願者が700人を下回るという結果でしたが、今年度はその反動からか大きく増加し、志願者は766人となりました。とはいえ、他学部・学科と比較すると志願倍率は依然として低い水準です。

また、文学部は昨年度まで4年連続で志願者が減少していましたが、今年度はほぼ横ばいであるものの一旦下げ止まりました。

京都大学一般選抜(前期日程) 志願倍率[文系]

理系に類する学部・学科では、工学部や理学部などが増加しています。工学部は全体で188人増加し、過去10年では2015・2016年度に次ぐ志願者数(2,718人)となりました。理学部は一昨年度が2005年度以降で最少の志願者数だった反動からか、これで2年連続の増加、2019年度以来となる800人を超える志願者が集まりました。

医学部人間健康科学科は、学科一括募集開始(2017年度)以降で初年度に次ぐ志願者数だった昨年度からやや減にとどまり、近年としては多い志願者でした。また、増加幅としては2番目に大きい総合人間学部[理系]は志願倍率が4倍を超え、経済学部[理系]も昨年度にひき続き6倍近い高い志願倍率を維持する形でした。

京都大学一般選抜(前期日程) 志願倍率[理系]

工学部を学科ごとにみると、近年増加が続いているのが地球工学科です。一時は志願倍率が2倍を下回る状態が続いていましたが、今年度は2.8倍と3倍近い倍率となっています。また、物理工学科は2005年度以降で最多の志願者が集まりました。

今年度、「工業化学科」→「理工化学科」へと名称を変更した理工化学科は、昨年度までの9年連続減少がようやく下げ止まり、昨年比としては最大の増加幅となる結果に転じました。名称変更の影響も考えられそうです。ただ、それでも志願倍率は1.6倍と、依然として全学部・学科で最も低くなっています。

また、現在まで高い人気を維持している情報学科は、昨年度から-45人と工学部の中では減少が目立つ結果でした。とはいえ、今年度も4倍を超える高い志願倍率は維持しており、人気が高いことがうかがえます。

京都大学一般選抜(前期日程) 志願倍率[工学部]