2025(令和7)年度 新課程入試情報

2025年度入試からは、新学習指導要領に基づく入試、いわゆる新課程入試がスタートします。

特に共通テストに関しては、試験時間や出題範囲など、複数科目にわたり多くの変更点がみられます。何がどのように変わるのか、詳細を調べておくことで事前に対策することが可能です。

ここでは、『新課程入試の共通テスト』『既卒生向けの対応』『得点調整対象科目』『医学部志望者が気を付けるべきポイント』についてまとめています。

新課程入試の共通テスト

まず、新課程入試の共通テストにおける変更点は、以下のようなものがあります。

■国語 試験時間が80分から90分に
現代文の問題が2題から3題になることで、全体の大問数も4から5に増加。それに伴い配点も変更され、現代文の配点が100→110、古典の配点が100→90に。

■数学② 試験時間が60分から70分に
出題範囲に数学Cが追加され、選択問題が2から3に増加。数学Cには、「ベクトル」(現行課程では数Bの範囲)と「平面上の曲線と複素数平面」(現行課程では数Ⅲの範囲)が含まれる。

■地歴公民 6科目から最大2科目選択に
科目の再編により、現行入試の10科目が6科目に。
①「地理総合、地理探究」
②「歴史総合、日本史探究」
③「歴史総合、世界史探究」
④「公共、倫理」
⑤「公共、政治・経済」
⑥「地理総合、歴史総合、公共」

⑥「地理総合・歴史総合・公共」は必履修科目のみの組合せで、3科目から2科目選択。ただし、⑥で選択した2科目と同じ科目名のつく①~⑤との組み合わせは受験できない。

例:⑥「地理総合・歴史総合・公共」で地理総合と歴史総合を選んだ場合、④「公共・倫理」⑤「公共、政治経済」のみ選択可能。①~③は選択できない。

■情報 2025年度入試から新たに実施
配点と試験時間は、100点/60分

その他、細かい部分では

■数学① 選択問題がなくなり全問必答に

■理科 基礎科目と専門科目(基礎がつかない科目)で分かれていた試験時間帯を一つに

など、各科目で大小さまざまな変更点があります。

既卒生向けの対応

2025年度入試は、新課程入試1年目ということもあり、経過措置として既卒生向けの旧課程問題が用意されることになっています。科目の編成があった「地歴公民」「数学」、新設される「情報」がその対象です。

また、「理科」に関しても、必要に応じて既卒生用の選択問題が用意されるようです。

得点調整対象科目

共通テストでは、選択した科目によって有利不利が発生しないようにする得点調整というシステムが導入されています。

現行入試においては、「地理歴史」「公民」「理科②(専門科目)」のそれぞれのグループの科目間で原則20点以上の平均点差が生じ、それが問題の難易差に基づくと認められる場合に、科目間の点差を縮める形で実施されています。

2025年度入試では、「地歴公民」「理科(専門科目)」に加えて、「数学①」「数学②」「情報」が得点調整の対象となります。ただし、「数学①」「数学②」「情報」は経過措置科目との得点調整となり、2025年度入試に限るとされています。

医学部受験は他学部と比較して、浪人生が多いのが特徴です。現役生が受験する新課程科目と、浪人生が受験する経過措置科目で、平均点に大きな差が開いてしまった場合、得点調整の対象となる可能性があるということは覚えておきましょう。

一方で、「情報」以外の科目は受験生が1万人未満の場合、平均点差が20点以上でも得点調整されないことも発表されています。

旧課程の公民4科目、生物、地学などは1万人を割る可能性があり、その場合は当該科目の選択者の得点がいくら高くても低くてもそのまま、ということになります。