医学部志望者が気を付けるべきポイント

医学部志望者が国公立大学への進学を希望する場合、共通テストの受験は必須となります。

受験が必要な科目は、6教科8科目（外国語、数学①、数学②、国語、理科2科目、地歴公民1科目、情報）で、新設される「情報」を除き、現行入試から新課程入試に移行しても変更はありません。

その中で、医学部志望者が気を付けるべきポイント2点を解説します。

①「地歴公民」の選択科目に注意！

「地歴公民」は、医学部志望者であれば共通テストでしか使用しません。そのため対策も後回しになりがちです。

医学部志望者が気を付けるべきポイントは、共通テストで選択する科目についてです。

新課程入試では、現行入試から以下のように変更されます。

現行入試で【全大学が受験可能】としていたのは、全10科目のうち4単位科目である「日本史B」「世界史B」「地理B」「倫理、政治・経済」でした。

2単位科目である「現代社会」「倫理」「政治・経済」や、その他「地歴A科目」で受験できる大学もあるものの、国公立全50校のうち半数以下に限られてしまいます。

新課程入試では、地歴公民の科目数が全6科目となります。その中で、必履修科目のみで構成されている「地理総合・歴史総合・公共」についてのみ、受験で選択できる大学と選択できない大学にわかれているのです。

2023年7月24日時点で、全ての国公立医学部が「地歴公民」の選択可能科目を公表しています。

そのうち「地理総合・歴史総合・公共」を選択可能としたのは50校のうち19校で、残りの31校は選択不可という結果になりました。

このことから、医学部志望者は6科目のうち「地理総合・歴史総合・公共」を選択するのは避けた方が無難という結論になります。「地理総合・歴史総合・公共」以外の5科目から選択した方が、受験校の選択肢が広がるということです。

もちろん学校の進度によって必履修科目のみで受験するしかない場合もあるでしょうし、受験生の好みに従って選ぶのも一つの手です。仮にそちらを選んでも50校中19校では入試科目として認められているため、医学部に出願できないということはありません。

事前に志望校の入試情報をチェックし、よく検討して、勉強を進めておくことが大切です。

②「情報」の配点に注意！

「情報」も「地歴公民」と同様、医学部志望者であれば共通テストでしか使用しない科目です。

2025年度入試においては、すべての国公立医学部で共通テストの「情報」を入試科目として課すと公表しています。

2023年7月24日時点で、各大学より公表されている「情報」の配点についてみてみましょう。

上表では、共通テストにおける「情報」の配点比率も示しています。

共通テストの素点は、6教科8科目（外国語、数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B・C、国語、理科2科目、地歴公民、情報）で合計1,000点満点です。素点のままだと、「情報」は100点なので全体の10％を占めることになります。しかし、多くの大学では各科目の点数を圧縮した、独自の配点を設定しています。

素点での配点比率と同じ10％としているのは、秋田大学（後期・地域枠）、東京医科歯科大学（前期）、福井大学（前期・後期）、京都府立医科大学（前期）、広島大学（前期）、大分大学（前期）、宮崎大学（前期・後期）、琉球大学（前期）です。

東京医科歯科大学（後期）、熊本大学（前期）はそれ以上の比率になっています。

一方で、佐賀大学（前期・後期）の1.6％、鹿児島大学（前期・後期）の2.7％、長崎大学（前期）や旭川医科大学（後期）の3.2％など、素点よりも低い配点比率としている大学の方が現時点では多いようです。

また、北海道大学、徳島大学、香川大学の3校は、入試科目としては課すものの、得点化はしないことを明らかにしています。

共通テスト「情報」の配点に関しては、いまだ公表していない大学も多く、全大学の情報が出揃うのはもう少し先になりそうです。

まとめ

ここでは、医学部志望者が新課程入試で気を付けるべきポイントについて、「地歴公民」「情報」の2点に絞って解説しました。

大学によって入試科目や配点が大きく異なる以上、医学部志望者は早めに志望校を決定し、受験に向けた対策を早いうちから練ることが重要です。

志望校の入試情報は大学ホームページ等でこまめにチェックしておくようにしましょう。

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