大学別出願状況
前期
※()内の数字=「指数」:2022年度の志願者数を100とした場合の2023年度志願者数を示す。
募集人員を7人減らした北海道(92)が3年連続の志願者減です。ただし募集人員・志願者数ともに減っているため、志願倍率にはほとんど変化がありません。
東京(100)は今年から2段階選抜の基準を約3.5倍から約3.0倍に縮小しています。志願者指数、志願倍率ともに横ばいで、特に変動は見られませんでした。
東京医科歯科(102)は、志願者指数は横ばいですが、募集人員を10人減らしたことで志願倍率が4.5倍まで上昇しています。
岐阜(127)は2年連続の志願者大幅増です。今年も志願者が集まった一因として、後期を廃止した分、前期の募集人員を10人増やしたことが考えられます。
名古屋(167)は、昨年度2段階選抜を導入したことで大幅に志願者を減らしていましたが、今年度は第1段階選抜の基準点を700点から600点に緩和したことで大幅に志願者を増やしました。しかし、一昨年の志願者数ほどは回復していません。志願倍率は1.7倍から2.8倍までアップしています。
2次試験の配点が大きい岡山(50)は、昨年度共通テスト難化の影響を受けて志願者数を大幅に増やしていましたが、今年度はその反動で大幅減となりました。志願倍率は5.5倍から2.8倍までダウンしています。
広島(68)は、昨年度志願者が大きく増加した反動に加え、今年から第1段階選抜の予告倍率を縮小したことで志願者大幅減です。倍率は6.9倍から4.7倍まで下がっています。
佐賀(99)は志願者指数、志願倍率ともに横ばいで、今年度から共通テストの配点を高くしたことによる影響は特に見られませんでした。
長崎(60)はここ2年程志願者が集まっており、昨年度の志願倍率は6.0倍まで上昇していました。今年はその反動と募集人員を5人減らしたことで、志願者指数、志願倍率ともに大幅ダウンです。志願倍率は3.8倍まで下がっています。
後期
昨年度募集人員を10人減らした岐阜が、今年は募集自体を廃止しています。これにより中部地方ではこの2年間で後期の枠が45人分減ったことになります。また、山梨や山口などが、昨年度志願者を集めた反動で大幅な志願者減となった一方で、旭川医科、山形では2年連続で大幅増となるなど、志願状況にばらつきが目立っています。
後期の2次試験で学科試験を課す大学は、旭川医科[英、面接]、千葉[英、数、理2、面接]、山梨[数、理2、面接]、奈良県立医科[英、数、理2、面接]、宮崎[英、面接]の5校です。
それ以外の11校は小論文、面接、調査書によって実施され、基本的に共通テスト重視の配点となっています。小論文対策なども必要になりますが、まずは共通テストで高得点を取らないと第1段階選抜を通過できず、2次試験を受けられない可能性もあります。
後期を実施する大学は年々減少しており、志願倍率(志願者数/募集人員)は後期全体で20倍以上になっています。しかし、実際に受験する人数から算出される実質倍率(受験者数/合格者数)は例年2~5倍程度まで低下します。これは前述の第1段階選抜により受験生が減らされることと、前期試験の合格者や私立大合格者が受験を辞退するためで、後期出願者のうち実際の受験者は1~3割程度になります。
前期よりも募集人員が少ないとはいえ、国公立大学を志望する受験生にとっては後期も数少ないチャンスの一つです。事前に募集枠をチェックしておき、積極的にチャレンジするようにしましょう。