Y-SAPIXでは東京大学総長の藤井輝夫先生に特別インタビューを行いました。Y-SAPIX公式noteで、その貴重なインタビューの内容を公開しています。東大総長から中高生に向けたメッセージをぜひご一読ください!
「2024東大入試状況」一覧
安全志向はみられず志願者は昨年度から増加、理系が占める割合は過去最高に
2024年度東大一般選抜の志願者は昨年度から126人増加し、9,432人(対前年101.4%)となりました。昨年度は減少したものの再び増加に転じ、近年は隔年で増減がみられます。来年度は新課程入試に切り替わりますが、それを前に安全志向が働く様子もみられませんでした。
文理別にみると、文科が微減、理科がやや増で、過去20年で文科は最も少なく、理科の志願者数は3番目に多くなっています。その結果、全志願者のうち理科が占める割合(60.6%)は過去20年で最も高くなり、理系受験生の方が積極的に東大に挑戦した形となりました。
今年度は共通テストの平均点が昨年よりも全体的に上昇しました。特に理系では選択者の多い地理Bや昨年非常に平均点が低かった生物が易化したこともあり、理系受験生にとっては出願しやすい状況だったかもしれません。
科類ごとにみると志願者が増加したのは文三・理一で、その他の科類は横ばいもしくはやや減となっています。
文科では、文三がやや増、文一・文二がやや減でした。昨年度、志願倍率が第1段階選抜予告倍率(3.0倍)を下回り、選抜が実施されなかった文三に志願者が集まった結果、文一・文二ともに予告倍率を下回る志願状況となりました。文一は過去20年でも最少の志願者数です。
志願倍率は文三>文二>文一の序列でした。文三が最も高いのは2017年度以来です。また、一昨年度・昨年度と科類間の志願倍率差が小さくなっていましたが、今年度は文三と文一・文二でやや差が開く形となりました。
理科では、理一がやや増、理二がやや減、理三が横ばいでした。理一は昨年度、過去20年で2013年度に次いで低い志願倍率で、第1段階選抜合格最低点も過去20年で最も低いという結果だったため、志願者が集まったとみられます。
また理二はやや減とはいえ、過去20年で最多だった昨年度からわずかな減少にとどまっており、ここ3年志願者が多い状態が続いています。昨年度は第1段階選抜合格最低点が8割近くに上昇しましたが、最終合格最低点としては最も低い結果が続いていることが、志願者の多さにつながっているかもしれません。
志願倍率の序列は理三>理二>理一と例年通りの序列です。しかし、2019年度の理三の第1段階選抜予告倍率変更以降、理三と理二の倍率差は徐々に小さくなっています。今年度は昨年度より少し差が開きましたが、これまで固定化されていた理三>理二>理一という序列が変化することもあるかもしれません。