一般選抜 最終合格者最低点・平均点

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文科の合格者成績は低下、理科の合格者成績は上昇と対照的な結果に

2024年度 東京大学 一般選抜 第2次学力試験実施状況

今年度の合格者成績(最終合格者の得点)における最低得点率は、昨年度から文科3科類はすべて低下した一方で理科3科類はすべて上昇と、文理で対照的な結果となりました。

合格者平均点も同様の状況で、2次試験の文科数学の難化、理科数学・物理の易化などが影響したかもしれません。特に理科3科類は、昨年度・一昨年度と以前に比べてやや低かったのですが、今年度は共通テスト初年度の2021年度やセンター試験時代の平均的な水準に近い結果となりました。

東京大学 一般選抜 合格者最低点・平均点比較[2021-2024]

文科の合格者最低点の序列は文二>文三>文一でした。2001年度以降で2019年度に初めて文二の最低点が最も高くなり、2019年度以降の6年は文二が序列の最上位だったのが4回と、2018年度以前の文一が最も高いという様相は崩れています。

ただ、特に共通テスト導入の2021年度から文科3科類の得点差は小さく、今年度の科類間差は約1点とごくわずかな差にとどまっています。

東京大学 一般選抜 合格者最低点推移【文科】

一方で合格者平均点は文一>文二>文三となりました。最低点と同様に2019年度以降それまでの様相は崩れていますが、直近3年は連続して文一が最も高くなっています。

合格最低点としては最も低くなることもあるとはいえ、文一志望者全体のレベルは必ずしも低下しているわけではないとみられます。

東京大学 一般選抜 合格者平均点推移【文科】

理科の合格者最低点は、例年の理三>理一>理二という序列から変化はありませんでした。

昨年度、過去20年で最多の志願者が集まり最低点が大きく上昇した理二ですが、今年度はわずかな上昇にとどまりました。一方、昨年度は過去10年で最も志願者が少なく合格最低点も理二とあまり差が無かった理一は、志願者が集まったこともあって最低得点率が約2%上昇し、理一と理二にやや差がつく形に戻りました。

また、理三は昨年度・一昨年度と過去20年でも低い点数が続きましたが、今年度は昨年度から約4%上昇し、2021年度以前に近い水準になりました。

東京大学 一般選抜 合格者最低点推移【理科】

合格者平均点も理三>理一>理二という序列で、過去20年この序列が保たれています。

昨年度は理一と理二の差がやや縮まりましたが、今年度は再び差がやや開きました。物理・化学選択者が多い理一・理三の点数が上昇し、化学・生物選択者も一定の割合を占める理二はほとんど上昇していないことから、物理の易化が得点差に影響したことも考えられます。

東京大学 一般選抜 合格者平均点推移【理科】

戦略的な対策のために共通テストと2次試験の目標点を見定める

東京大学の一般選抜の配点は共通テスト:2次試験=1:4と、2次試験の占める割合が圧倒的に高くなっています。

来年度は新課程入試となり、共通テストでの科目に情報が加わりますが、情報も踏まえた1,000点満点が従来と同様の110点満点に圧縮されます。そのため、2次試験でしっかりと得点できる実力が合格には不可欠であることに変わりありません。

東京大学 一般選抜 入試配点(2025年度入試)

ただし、まずは共通テストで高得点が取れるレベルの基礎力を身につけることが重要です。第1段階選抜を突破するためにはもちろん、2次試験で得点できる実力をつけるためにも下地となる基礎力が欠かせません。

それに加えて、共通テスト・2次試験それぞれで、目標とする得点を見定めることも重要です。科類によってやや異なりますが、共通テストでは得点率90%が理想の目標ラインとなるでしょう。共通テストで目標とする得点に届かなかったとしても2次試験で挽回することは可能ですが、当然取らなければならない得点のハードルも高くなります。

2024年度入試結果をもとに共通テストの得点率別に合格に必要な2次試験得点を算出すると、以下のようになります。共通テスト・2次試験の目標得点を定めるための参考にしてみてください。

東京大学 第2次学力試験 合格必要得点