「2023東大入試状況」一覧
女子合格者割合は過去最高を記録。一般選抜のみで2割を超える
一般選抜の女子志願者数は2019年度よりデータが公表され、昨年度に公表以来初めて2,000人を超え、女子割合は22.3%となりましたが、今年度の志願者数は2,092人とやや減少したものの昨年度同様2,000人を超え、女子割合は22.5%と上昇しました。一方、男子志願者数は7,214人で、2019年度と比較すると300人以上減少しています。
各科類の男女別志願者数を見ると、ここ2年女子志願者が比較的増えているのが文三・理二で、理三もやや増加しています。一方、男子志願者は今年度は理二に集中した結果、理一が減少しました。また、文一・文三は減少が続いており、特に文一は2019年度から200人近く減少しています。
科類別の女子志願者割合は、最も高いのは文三、最も低いのは理一で、例年と同様の序列です。文科では、文三はわずかに低下しましたが文一・文二は上昇し、文科全体で30%を超えました。一方、理科では理一がわずかに上昇しましたが理二・理三が低下し、理科全体での割合が昨年度より低下しています。文理の差は過去5年で最も開く結果となりました。
一般選抜の女子合格者数は653人と、データが確認できる2009年度以降で初めて600人を超えました。女子割合は21.8%で、確認可能な昭和21年(1946年)以降で最高値と東大が言及しています。
一昨年度も19.98%とほぼ20%を占める結果でしたが、今年度はついに一般選抜のみで2割を超えました。学校推薦型選抜と合計した女子割合は22.3%でこれも過去最高であり、3年連続で20%を上回っています。東大は女子志願者・合格者が増えた理由として、藤井総長のダイバーシティ&インクルージョン宣言の方針が浸透していることや女子学生への住まい支援などを挙げています。
科類別の合格者割合は、理一のみ昨年度からわずかに低下しましたが、それ以外の科類はすべて上昇しました。昨年度、2009年度以降で最も高い割合だった文一・理三はさらに最高値を更新し、2年連続で低下していた文二も2009年度以降で最も高い割合となりました。一方、理一は2020年度に約10%に達しましたが、それ以降低下傾向が続いています。
割合の序列は、文科が文三>文一>文二、理科が理二>理三>理一となっており、過去10年間一定しています。
男女別の合格率(合格者/志願者)は、昨年度低下した女子が再び上昇に転じ、男女差が縮まる結果となりました。男子は緩やかな低下傾向が続いています。
文科合計の合格率は、昨年度は女子が男子を下回りましたが、再び女子が上回りました。昨年度よりも女子志願者が増えた中での上昇であるため、優秀な女子受験生が多かったことがうかがえます。理科合計の合格率は、女子は上昇に転じる一方で男子は低下傾向で、その差がやや小さくなりました。
科類別の合格率を見ても、文二・理一以外は女子が男子を上回っており、文一・理三で女子が男子を上回るのはデータが公表された2019年度以降で初めての結果です。一方、理一は男子が2年連続で上昇し40%を超えましたが、女子はほぼ横ばいで、過去5年で男女差が最も大きくなりました。