一般選抜 最終合格者最低点・平均点

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過去最低を記録した昨年度から上昇。文科は全体的に大きく上昇、理科は理二の上昇が目立つ

今年度の合格者成績(最終合格者の得点)における最低得点率は、全科類で2001年度以降最も低い数値を記録した昨年度から、2~7%程度上昇しました。特に文科は3科類とも+6~7%と、上昇幅が理科よりも大きくなっています。共通テストの易化に加え、2次試験も全体としてみれば昨年度よりは比較的得点しやすかったとみられます。

合格者平均点も同様に上昇し、昨年度は得点率60%を下回る科類もみられましたが、今年度は全科類で60%以上となりました。

2023年度 一般選抜 第2次学力試験実施状況
一般選抜 合格者最低点・平均点比較[2021-2023]​

文科の合格者最低点は、文一>文二>文三と文一が最も高くなりました。文一が最も高くなったのは2020年度以来です。

2019年度に文二が文一を上回って以降、2018年度以前の文一の最低点が最も高いという様相は崩れており、年度によって序列が入れ替わるような状況です。特に共通テスト導入の2021年度から文科3科類の得点差は僅差で、科類間の差はほとんどありません。

一般選抜 合格者最低点推移【文科】​

合格者平均点も文一が最も高くなりました。最低点と同様に、2019年度以降文一が最も高いという様相は崩れていますが、昨年度からは連続して文一が最も高くなっています。

様相は変わりつつあるとはいえ、必ずしも文一志望者全体のレベルが低下しているわけではないと考えられます。

一般選抜 合格者平均点推移【文科】​

理科の合格者最低点は、例年の理三>理一>理二という序列から変化はありませんでした。ただ、過去20年で最多の志願者を集めた理二は、昨年度からの上昇幅が理科の中で最も大きく、理一との差はかなり小さくなっています。

近年は理一と理二にやや差があるような状態でしたが、第1段階選抜合格者最低点をみても、今年度は例年よりも理二に高学力層が集まったとみられます。

加えて、今年度の2次試験で特に難化が目立ったのが物理です。理科2科目選択の内、理一は物理・化学選択者がほとんどを占めますが、理二は理一と比較すると化学・生物選択者などが一定の割合を占める傾向があるため、物理の難化が得点差にも影響したかもしれません。

また、理三は2017年度以降低下傾向が続いていましたが、今年度は上昇に転じました。とはいえ昨年度からの上昇幅は最も小さく、過去20年でみても昨年度に次いで低い点数です。

一般選抜 合格者最低点推移【理科】​

合格者平均点も最低点と同様に理三>理一>理二という序列で、過去20年でみても2004年度を除いてこの序列が保たれています。一方で、理三と理一の得点差はここ3年間、2020年度以前と比べるとやや小さい状態が続いています。

理三が最も高いという状況には変化がありませんが、序列間差は以前と比べるとやや変化がみられます。

また、過去2年間、理一と理二の得点差が2020年度以前よりはやや大きくなっていましたが、今年度は比較的小さくなりました。

一般選抜 合格者平均点推移【理科】​

戦略的な対策のために共通テストと2次試験の目標点を見定める

東京大学一般選抜の配点は共通テスト:2次試験=1:4と、2次試験の割合が圧倒的に高くなっています。そのため、2次試験でしっかりと得点できる実力が合格には不可欠です。

東大一般選抜 入試配点​

ただし、まずは共通テストで高得点が取れるレベルの基礎力を身につけることが重要です。第1段階選抜を突破するためにはもちろん、2次試験で得点できる実力をつけるためにも下地となる基礎力が欠かせません。

また、共通テスト・2次試験それぞれで目標とする得点を見定めることも重要です。科類によってやや異なりますが、共通テストでは得点率90%が理想の目標ラインとなるでしょう。しかし、2次配点が高くなっていることから、共通テストで目標とする得点に届かなかったとしても、2次試験で挽回することは可能です。

とはいえ、共通テストで得点できれば他の受験生に対してアドバンテージを取ることができるのも事実です。2023年度の入試結果をもとに、共通テストの得点率別に合格に必要な2次試験得点を算出していますので、共通テスト・2次試験の目標得点を定めるための参考にしてみてください。

第2次学力試験で合格に必要な得点​