一般選抜 志願状況

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昨年度から志願者総数は減少する一方で、理二は過去20年で最多の志願者

2023年度東大一般選抜の志願者は昨年度から201人減少し、9,306人(対前年97.9%)となりました。昨年度は2018年度以降続いていた減少傾向に歯止めがかかりましたが、今年度は再び減少に転じた形です。

一般選抜(前期日程) 志願者数・志願倍率推移

昨年度大きく低下した共通テストの平均点が今年度はやや回復しましたが、昨年ほど強気に出願する受験生は多くなかったとみられます。平均点が上昇した分、第1段階選抜合格ライン等も上昇すると見越し、出願を控えた層もいるかもしれません。

なお出願方法について、昨年度までは書類郵送のみでしたが、今年度から書類郵送前にオンラインの「ウェブ出願システム」で出願者情報等の入力が必要な形式に変更となっています。

2023年度一般選抜 志願状況

科類ごとにみると志願者が増加したのは文二・理二で、その他の科類は横ばいもしくは微減となっています。文理別にみると、文科は対前年96.9%、理科は98.5%と文科の減少率が理科を上回っており、文科全体の志願者数は過去20年で2021年度に次ぐ2番目に少ない数でした。

文科では、文二がわずかに増加、文一・文三がやや減でした。文三の志願倍率(3.02倍)は過去20年でみても2015年度に次いで低い倍率で、予告倍率(3.0倍)内であるとみなされた結果、第1段階選抜が実施されませんでした。文一(3.08倍)・文二(3.12倍)も比較的低倍率で、文科一~三類の最高倍率が3.12倍であるのは過去20年で最も低い結果です。

志願倍率は文二>文一>文三の序列で、これは2018年度以来の序列です。過去20年で文二が最も高い倍率であるのは、2008・2018・2023年度の3回のみです。また、昨年度も科類間の志願倍率差が小さく、募集人員に対する志願者の割合はどの科類も概ね均等でしたが、今年度は昨年度以上に倍率差が小さくなりました。

一般選抜 志願倍率推移【文科】

理科では、理二のみ昨年度から志願者が増加しました。昨年度も過去20年で3番目に多い志願者数でしたが、今年度はそれを上回り最多の志願者数となりました。2015年度以降、理科の中では合格最低点が最も低い状態が続いていること、理二志願者が比較的選択することが多い化学・生物どちらも共通テストの得点調整で加点されたことなどが、志願者増加につながったかもしれません。

一方、理一は過去20年で2013年度に次いで低い志願倍率でした。共通テストの結果を受けて、例年合格最低点が低い理二へ出願変更した層もいたのではないかと考えられます。また、理三は今年度から第1段階選抜の予告倍率を3.5倍から3.0倍に引き下げましたが、志願者は横ばいで大きな変化はありませんでした。

志願倍率の序列は理三>理二>理一と例年通りの序列です。しかし、2019年度の理三の第1段階選抜予告倍率変更以降、理三と理二の倍率差は徐々に小さくなっていて、今年度はさらに差が縮まり、ほとんど差がない結果でした。

今年度はやや理二に志願者が集中した感はありますが、これまで固定化されていた理三>理二>理一という序列の様相が変化することもあるかもしれません。

一般選抜 志願倍率推移【理科】