一般選抜 現浪別割合

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志願者・合格者の現役割合はともに過去10年での最高値を更新

2023年度一般選抜における現役生の数を見ると、志願者は6,339人で割合は68.1%、合格者は2,199人で割合は73.4%でした。

​2023年度 一般選抜 現浪別入試状況

現役生志願者数は昨年度からやや減少しましたが、志願者の現役割合は昨年度を上回り、過去10年での最高値を更新しています。一方で浪人生等の志願者数は、過去10年で初めて3,000人を下回り、最も少ない数となりました。

共通テスト初年度である2021年度入試から共通テストに出願する浪人生総数が大きく減少し、減少傾向が続いていますが、それが東大の志願状況にも表れているとみられます。昨年度は1浪生が3年連続減少だった一方で2浪生等は微増しましたが、今年度は1浪生は横ばい、2浪生等は減少に転じる結果となりました。

現役生合格者数は4年連続の増加で、合格者の現役割合も過去10年での最高値を更新しました。昨年度と比較して、志願者の現役割合が67.6%→68.1%と+0.5%であるのに対し、合格者の現役割合は71.9%→73.4%と+1.5%で志願者の上昇率を上回っていることから、昨年度よりも現役生の合格率(合格者数/志願者数)が高かったこともうかがえます。

一般選抜(前期) 現浪別志願者・合格者

実際に昨年度と今年度の卒業年度別の合格率を見ると、現役生が33.5%→34.7%、1浪生が37.6%→37.0%、2浪生等が8.9%→6.8%で、現役生の合格率が上昇しています。

また、1浪生の合格率が最も高いのは例年通りですが、今年度の現役生と1浪生の差は過去10年で最も小さくなりました。この傾向が続けば、現役生の合格率が最も高くなることも考えられそうです。

一般選抜 現浪別合格率[全体]

文科全体での合格率は現役生が1浪生を上回る。理二は現役生が苦戦

文理別に状況を見てみると、文科では志願者の現役割合が低下する一方で、合格者の現役割合は上昇しました。例年以上に現役生が優位な状況だったとみられます。

理科では志願者・合格者ともに現役割合が上昇しました。昨年度は一昨年度よりも合格者割合が低下し、やや現役生の苦戦がうかがえる結果でしたが、今年度は昨年度と比較すると現役生の健闘がうかがえます。

一般選抜 文理別現浪割合

文科の合格率は現役生が36.1%、1浪生が35.7%となり、現在の募集人員となった2008年度以降で初めて現役生が1浪生を上回りました。2014年度であれば現役生と1浪生との合格率差が10%近くあるなど、1浪生優位の状況が基本的でしたが、その状況が変わってきていることがわかります。

理科の合格率は現役生が33.8%、1浪生が37.8%で1浪生優位の状況が続いていますが、過去10年で見るとその差は小さくなっています。文理でやや状況は異なっていますが、相対的に現浪差の縮小傾向は続いています。

一般選抜(前期) 文理別現役生・1浪生合格率

さらに科類別に志願者の現役割合を見ると、文科は文三>文二>文一という序列となりました。文三が最も高くなったのは2015年度以来で、昨年度と比べると全科類がやや低下する結果でした。理科は例年と変わらず理一>理二>理三という序列ですが、理二は2019年度から4年連続で上昇しており、横ばいの理一との差がやや小さくなっています。

合格者の現役割合では、文科は昨年度に続き文一>文二>文三という序列となりました。過去10年でも概ねこの結果が多くなっています。文一は昨年度79.8%とほぼ80%まで達しましたが、今年度はやや低下しています。理科は理三>理一>理二という序列で、2020年度を除いて過去10年同じ結果です。理三は2021年度以降80%を超える結果が続くなど現役生が多数を占めていますが、理一も上昇傾向で今年度は77.7%にまで達しました。

一般選抜(前期) 科類別現役割合[志願者・合格者]

また、文一・理三の2科類は、他と比較して志願者の割合が高くない一方で、合格者の割合はそれぞれ最も上位です。文一・理三の現役受験生は、他科類以上の少数精鋭であると言ってよさそうです。

実際に科類ごとの合格率を見ても、文一・理三は一昨年度・昨年度に続き現役生の合格率が最も高くなっています。それ以外の科類は1浪生の合格率が最も高くなっていますが、理二以外の科類は、昨年度と比べると現役生と1浪生との差が小さくなっています。

一般選抜 現浪別合格率[科類別]

文一~文三・理一で現役生の合格率が上昇した一方、低下したのが理二・理三です。理三は低下したとはいえ40%を超えており、10年前と比べて高い水準ですが、理二は22.6%と過去10年で最も低くなりました。過去20年で最多の志願者が集まったため、昨年度から合格率が低下するのは自然な結果ではあるものの、他科類と比較して現役生苦戦の状況が続いているとみられます。

一般選抜(前期) 科類別現役生合格率

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