「2021京大一般選抜 入試結果」一覧
合格者最低点は昨年度から大きく上昇
2021年度入試の合格者最低点は募集人員が10と非常に少ない教育学部(理系)を除くすべての学部・学科で上昇しました。昨年度は2次試験の数学・理科(物理、化学)の難化などの影響から特に理系学部で大きく下がりましたが、今年度は数学・理科(物理、化学)が易化したことが再び上昇に転じた主な要因とみられます。
文系学部の内、最も高い最低得点率となったのは経済学部(文系)の67.3%でした。2019・2020年度は文学部が最も高い得点率でしたが、今年度は経済学部(文系)が逆転しています。学部間で配点等が異なるため単純比較はできませんが、2017・2018年度も経済学部(文系)が最も高く近年合格に必要な水準はやや高くなっており、文系学部の中では共通テストの配点比率が最も高い文学部も得点率が高い傾向にあります。また、総合人間学部(文系)は昨年度の56.1%から66.6%と、全学部・学科の中で最も大きい上昇率となりました。総合人間学部(文系)は他学部と比べて2次試験の配点比率が高く募集人員も多くないため、2次試験の難易や志願者数による影響を受けやすいと考えられます。
昨年度軒並み大きく得点率が下がった理系学部で今年度特に上昇が目立ったのは、理学部・医学部医学科・工学部でした。これらは理系学部の中でも共通テストの配点比率が低い学部学科であり2次試験の難易の影響を大きく受けますが、得点率が大きく下がった昨年度を除けば、近年の最低得点率は医学部医学科が70%前後、その他の学部・学科が60%前後となっています。また、工学部は情報学科の人気とそれに伴う難化の傾向が続き、他学科と比べて約4%~8%の差がついており、合格のハードルが高くなっています。
共通テストと2次試験の目標を見定める
京都大学は学部・学科によって入試に必要な科目数や配点が異なるものの、2次重視の配点比率に変わりはありません。しかし、まずは共通テストでしっかり得点できるかどうかが、最終的な合否に大きく影響してきます。文系学部の中で共通テストの配点が最も高い文学部で、仮に共通テストで90%の得点を獲得できた場合と80%の得点に終わってしまった場合を比較してみると、その差は25点になります。極端な例ではありますが、この場合2次試験の数学大問1問分(20点)以上の得点差が生じることになりますので、共通テストを軽視せず確実に得点することが肝要です。
京大合格を目指すのであれば、学部・学科によって目標ラインは多少異なってきますが、共通テストについては85%以上の得点を目安にしておくと良いでしょう。2021年度合格者最低点をもとに合格に必要な2次得点を算出した場合、仮に共通テストで85%得点できたとすると、文系学部は概ね55~60%程度となり学部間差は大きくありません。一方、理系学部では医学部医学科が最も高い65.9%、最も低いのが医学部人間健康科学科の38.8%、それ以外の学部は概ね50~55%程度と学部・学科間の差が大きくなっています。各年度の問題の難易度や志願者数などによって合格に必要な得点は上下しますが、共通テスト・2次試験それぞれで目標とすべき得点を見定めておくようにしましょう。