2022東大入試状況「一般選抜 志願状況、第1段階選抜平均点・最低点」

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第1段階選抜平均点・最低点

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志願者減少傾向には歯止め。強気の出願増が影響か

2022年度東大一般選抜の志願者は昨年度から418人増加し、9,507人(対前年104.6%)となりました。昨年度は2000年度以降最少の志願者数を記録しましたが、今年度は過去10年間で2018・2017年度に次いで多い志願者数となっています。2018年度以降減少傾向が続いていましたが、それにも歯止めがかかる形となりました。

一般選抜(前期日程)  志願者数・志願倍率推移​​

今年度は共通テストが難化し平均点が大きく下がったことで、国公立大学出願に影響が及んだと考えられますが、東大に関しては強気に出願する受験生が多かったようです。例年であれば第1段階選抜合格者の平均点に及ばないような得点でも、全体の動向を見据えたうえで、受験生側は出願を判断したものとみられます。

2022年度 一般選抜 志願者・第1段階選抜実施状況

また、東大の一般選抜については、昨年度、コロナ禍により関東圏以外の志願者が大きく減少したといったことはありませんでした。今年度も、関東圏以外の受験生が新型コロナウイルス感染症によって出願を控えるケースは、あまりなかったと考えられそうです。

なお東大は、共通テストを新型コロナウイルス罹患で受験できず、個別試験のみの受験を認めた受験生は4人と公表しています。

文科は全体的にやや増加。理科は理二の増加が目立つ

科類ごとにみると、昨年度よりもわずかに理一の志願者が減っただけで、その他の科類は全て増加しています。文理別にみると、文科は対前年103.7%、理科は105.2%と、理一の志願者が減ったものの理科の方が増加率は大きくなっています。

文科はすべての科類でやや増加しました。昨年度は過去20年で最少の志願者数となり第1段階選抜が実施されなかった文二も、今年度は予告倍率である3.0倍を超える志願者が集まっています。

また、今年度は科類間の志願倍率差が小さく、ほぼ3.1~3.2倍の範囲に収まる形で、どの科類にも概ね均等に志願者が集まる結果となりました。志願倍率の科類間序列は、昨年度に引き続き文一>文三>文二となっています。

一般選抜 志願倍率推移【文科】​

理科は理一の志願者が微減であるものの、理二・理三の増加が目立ちます。特に理二は、昨年度から255人増加し志願者は2,235人(対前年112.9%)となりましたが、これは過去20年でみても2008・2012年度に次ぐ多さの志願者数です。

今年度の共通テスト難化が背景となり、第1段階選抜を突破するために、直近2年の第1段階選抜合格者最低点が理一よりも50~70点低かった理二に、出願変更した層も多かったのではないかと思われます。

また、昨年度過去20年で初めて志願倍率が4倍を下回った理三も対前年109.4%と増加に転じ、再び4倍を超えました。

一般選抜 第1段階選抜実施結果​

志願倍率は理三>理二>理一の序列に変わりはありません。ただし、2019年度の理三の第1段階選抜予告倍率変更以降、理三と理二との差は小さくなっており、今年度は最小差だった昨年度をさらに更新する形となりました。

全科類で第1段階選抜を実施。理二で最多の不合格者

今年度は志願倍率が予告倍率を下回る科類はなく、全科類で第1段階選抜が実施されました。志願者が大きく増加した理二は第1段階選抜不合格者も増え、募集人員の多い理一を上回り、全科類最多の366人の不合格者が出ました。

2001年度以降で第1段階選抜が実施されなかったケースは、文科では過去10年で文一2回、文二2回、文三1回の合計5回ありますが、2001年度から2012年度までの12年間では、実施されなかったのは2002年度の文三の1回のみです。一方、理科は2016年度の理二が唯一の不実施で、それ以外はすべて実施されています。

一般選抜 第1段階選抜実施結果

志願者が減少傾向にあると、予告倍率に満たず、文科のように第1段階選抜不実施の年度が散見されることになりますが、今年度は志願者の減少傾向には一旦歯止めがかかる形となりました。受験人口が減少する中で、今年度程度の志願者数を維持し、第1段階選抜が実施されることが「普通」である状態が続くのか、次年度以降の志願状況が注目されるところです。

第1段階選抜合格者平均点が大きく低下。一方で理二の最低点は上昇

今年度は第1段階選抜合格者の平均点が昨年度から約50~100点の大きな低下となり、文科は全科類、理科は理科三類で700点を下回りました。700点を下回る科類が存在し、かつそれが複数あるのは過去に例を見ない結果であり、共通テスト難化の影響がうかがえます。

一般選抜 第1段階選抜合格者平均点

第1段階選抜合格者の最低点をみても、水準は概ね低くなっています。文科では、文二は今年度実施こそされたものの、予告倍率をわずかに超える程度の志願者数であったこともあり、得点率は50%を下回る結果となりました。これは第1段階選抜が実施された中では最も低い得点率です。

また、文一でも60%を下回るところまで低下した一方、文三は昨年度並みの得点率(66.1%)に落ち着いています。

一般選抜 第1段階選抜通過ライン【文科】

文科の合格者最低得点率の科類間序列は文三>文一>文二となりました。2019年度以前は文三>文二>文一という序列が一般的でしたが、2020年度からはその序列になったことはありません。

最終合格者の最低点も、文一>文二>文三という序列がほとんどだった以前の状況から、直近3年は序列通りになったことがないことと同様に、過去一般的だった序列は崩れつつあると言えそうです。

理科では、志願者が大きく増加した理二の最低得点率が昨年度から上昇し、理科の中で最も高い得点率となりました。共通テスト難化の中で上昇したのは理二のみで、前述のように理一での第1段階選抜不合格を敬遠した受験層が流入し、結果的に最も合格ラインが高くなったとみられます。

一般選抜 第1段階選抜通過ライン【理科】

一方で理一は、共通テスト難化と理二への流入が考えられることから、昨年度から得点率7.7%ダウンと減少幅としては全科類で最も大きくなりました。また、理三は昨年度と同程度の得点率(58.8%)にとどまる結果となりましたが、2001年度以降における得点率の最低値を更新しています。

理科の合格者最低得点率の科類間序列にははっきりとした規則性はみられませんが、2018年度以降は理三が最も低い結果が5年連続で続いており、理一と理二の序列は年度によって入れ替わりを見せる形となっています。