「2022京大入試状況」一覧
志願者の女子割合は2割強で横ばい。
医学部人間健康科学科は低下傾向
2022年度一般選抜前期日程の女子志願者合計は1,675人で昨年度から26人の増加、全志願者に占める割合は23.2%でした。近年、志願者の女子割合は23%程度で横ばいが続いている状態です。合格者についても、女子合格者合計は564人、全合格者に占める割合は20.6%と20%台を維持する状況に変化はありませんが、10年前の2013年度と比較すると近年はやや低下傾向がみられます。
学部学科別の志願者女子割合では、経済学部[文系]が上昇し、2017年度の20.11%をわずかに上回る20.13%で2005年度以降の最高値を更新しました。また、工学部も11.68%と2005年度以降では2019年度(11.7%)に次いで高くなっています。工学部は近年わずかな上下動はありますが、2005年度の8%程度から緩やかな上昇傾向にあります。
一方、医学部人間健康科学科は、昨年度からの低下幅が-5.1%、2005年度以降では最低値となる50.2%まで大きく低下しました。2020年度は63.6%に上昇したものの、最高値を記録した2014年度(71.8%)から低下傾向にあります。
理学部と工学部は合格者の女子割合が10%を下回る状況が続く
2022年度合格者の女子割合を学部学科別にみると、上位は①教育学部[文系]、②農学部食品生物科学科、③医学部人間健康科学科、④農学部森林科学科、⑤農学部応用生命科学科、⑥文学部と続いています。
いずれも年度による上下はあるものの比較的例年女子に人気のある学部学科ですが、志願者と同様に医学部人間健康科学科は低下傾向がみられ、今年度は49.4%と2005年度以降初めて男子の割合を下回る結果となりました。
一方、例年女子割合が低いのは理学部・工学部です。理学部は2005年度以降の最低値を記録した昨年度(5.8%)からは+2.9%と上昇しましたが、10%を下回る割合にとどまっています。
工学部は2005年度以降合格者の女子割合が一度も10%を超えたことがなく、低調に推移しています。志願者と同様に2005年度(6.7%)からは緩やかに上昇していますが、上昇幅は志願者より合格者の方が小さくなっています。学科別にみると、建築学科は20%程度で比較的高めですが、電気電子工学科や情報学科は合格者が1桁しかいないほど男子の独占状態となっています。
男女の合格率差は変わらず。
理・工学部は男子が優勢、農学部は女子が男子を上回る
男女別の全体の合格率(合格者÷志願者)を比較してみると、今年度は志願者増加に伴い、男女とも合格率がやや低下しました。後期日程がすべての学部・学科で廃止された2009年度以降で見ると、男子の合格率がやや高い傾向が続いています。
男子志願者が圧倒的に多い工学部や理学部で男子が女子の合格率を大きく上回っていることが、全体の女子合格率を押し下げています。法学部や経済学部[文系]もここ2年は男子が女子を上回っており、その差は以前よりは比較的大きく女子受験生がやや苦戦していることがうかがえます。
一方で、農学部や教育学部[理系]は2年連続で女子が男子の合格率を上回っています。特に農学部は募集人員が比較的多い中で女子志願者数も多く、力のある女子受験生が数多く入試に臨んでいると考えられます。