一般選抜 最終合格者最低点

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合格者最低点はほとんどの学部・学科で上昇、共通テスト難化の影響は見られず

2022年度入試の合格者最低点は昨年度から上昇した学部・学科が多く、特に理系学部ではすべての学部・学科で上昇しました。今年度は共通テストが大きく難化しましたが、その影響で合格最低点が下がるということはありませんでした。合格者平均点も同様に上昇しており、昨年度よりも2次試験が比較的得点しやすかったとみられます。

2022年度 一般選抜(前期日程)合格者点数

学部間で配点等が異なることを度外視して単純比較すると、文系学部の内、合格者最低得点率が最も高かったのは文学部です。過去10年間では最も高い得点率となりました。

法学部も過去10年で最も高い得点率です。法学部は低倍率で推移していますが、一定レベル以上の受験者層が集まっているとみられます。

一般選抜(前期日程)合格者最低得点率[文系]

一方、昨年度は最も高い得点率だった経済学部[文系]はやや低下し、教育学部[文系]に次いで低い得点率でした。昨年度大きく得点率が上昇した総合人間学部[文系]は、2005年度以降で最も少ない志願者数だったことも影響してか、ほぼ横ばいにとどまっています。

また今年度の文系学部の最低得点率は、学部間差がかなり小さく、最も低い教育学部[文系]と最も高い文学部で2%を超えない範囲で収まりました。配点等が異なるため正確な比較は難しいものの、結果として合格に必要な得点率に大きな上下関係は見られず、学部間の合格難易度の差は例年より小さかったと言えそうです。

合格者最低点が軒並み上昇した理系学部の内、約3~4%上昇したのが医学部医学科や工学部です。特に医学部医学科は過去10年で最も高い得点率となりました。医学部医学科は2005年度以降最少の志願者数だったものの、合格者のレベル低下につながることはなかったとみられます。

一方、医学部医学科と同様に2005年度以降最少の志願者数だった理学部は、昨年度からの得点率の上昇幅が理系学部の中で最も小さくなりました。

一般選抜(前期日程)合格者最低得点率[理系]

また、工学部情報学科も過去10年で最も高い得点率でした。情報学科は人気の高さから他学科よりも最低得点率が高く、合格のハードルが高い傾向が続いています。

一般選抜(前期日程)合格者最低得点率[理系]

共通テストと2次試験の目標点を設定する

京都大学は学部・学科によって入試に必要な科目数や配点が異なるものの、2次重視の配点比率に変わりはありません。しかし、まずは共通テストでしっかり得点できるかどうかが、最終的な合否に大きく影響してきます。

一般選抜(前期日程)学部・学科入試配点

文系学部の中で共通テストの配点比率が最も高い文学部であれば、共通テスト90%であった場合と80%の場合を比較すると、その差は25点になります。

極端な例ではありますが、この場合2次試験の数学大問1問分(20点)以上の得点差が生じるということです。共通テストを軽視せず、確実に得点することが有利であることがわかるかと思います。

共通テストの重要性

京大合格を目指すのであれば、学部・学科によって目標ラインは多少異なってきますが、共通テストについては85%以上の得点を目安にしておくと良いでしょう。今年度のように共通テストが難化する可能性もありますが、目標は高めに設定しておくに越したことはありません。

2022年度合格者最低点をもとに合格に必要な2次得点を算出した場合、仮に共通テストで85%得点できたとすると、文系学部は概ね57~60%程度となり、あまり学部間差はありません。

2次試験で合格に必要となる得点

一方、理系学部では、医学部医学科(70.4%)が最も高く、次いで高いのが工学部情報学科(63.3%)、最も低いのが医学部人間健康科学科(40.8%)です。それ以外の学部・学科も49~58%の間に分散しており、文系学部に比べると学部・学科間の差が大きくなっています。

各年度の問題の難易度や志願者数などによって合格に必要な得点は上下しますが、共通テスト・2次試験それぞれで目標とすべき得点を頭に入れておくようにしましょう。