秋田喜代美教授インタビュー

選ぶことを周りに委ねず自分で人生を選んでほしい

学びは大学で終わることはありません。急激に変わっていく社会に目を向けて、生涯学び続けることで、変わる状況に対応できる資質や能力を身につけてもらいたいと思っています。そのためには、自分の心を開いていくこと。開いて迫っていくことがとても大切です。

大学受験は一つの通過点ではありますが、人生80年、90年を幸せに生きる、生きてきてよかったなと思える人生を選び取ることが大事です。選ぶことを親や周りに委ねず、自分の人生を自分で選んでほしい。その時に、少し背伸びをしてみることが、自分を大きくしていく一つのチャンスだと思います。「身の丈」と思わずちょっとジャンプをしてみると、見えなかった世界が見えてくる。そんな経験をしてほしいと思います。

これまでを振り返ると、私は成り行き任せの人生を生きてきたと思いますが、現在は学部長としてありがたくいろいろなことを経験させていただいています。岐路に立ったとき、選ぶ道はひとつしかありません。選んだ以上はそれをプラスにする。後で悔いないためにも、その場で与えられたことを、その時の最大限の力を発揮して引き受けることが重要だと考えています。後ろは見ず、先の見通しを持っていくようにしています。私の場合、アイデンティティーは「研究者兼主婦」です。炊事も家事も自分でやることから研究の着想を得ています。社会生活と学術がどうつながるかを研究するためには、まず生活者として生きるべきだと思っています。

真剣に学べばいくつになっても身につく。学ぶのに遅い時はない。学びたいときが最適期。それが私の持論です。