京大入試ガイダンス「京大を語る」が、9月9日、代々木ゼミナール本部校代ゼミタワーで開催されました。第1部では京都大学入試概況の説明を行いました。今回はその一部を掲載します。
京都大志願者の動き
2010年度の志願者数を100とすると、2013年度の102をピークに漸減傾向にあります。2017年度前期日程の志願者数は7,875人で前年度より154人減少し指数95となりました。その要因は、京都大と並んで最難関大の東京大が減少していないことから、いわゆる「安全志向」(受験生が確実に合格する大学を受験する手堅い受験校選び)という理由だけではなさそうです。
京都大志願者減少の背景の一つに、地元関西の志望者が減少していることが挙げられます。出身高校所在地による地区別志願者割合を前年と比較すると、関東地区(+1%)、中部地区(+2%)が増えている一方で、総志願者数の半分を占める近畿地区(-2%)で減少しています。近年、大阪府、京都府は減少傾向にあり、東京都、愛知県は増加しています。
関西地区で東京大合格者数の多い高校の上位5校の大半は、2013年度より東京大合格者数が増えていますが、京都大合格者数は減少していることがわかります。こうした関西の名門高校で東京大を目指す「東大第一主義」の高まりがあり、受験生の志望が多様化してきているといえます。
学部系統別では、文学部、教育学部、経済学部での志願者数が増えた一方、理学部、工学部、農学部では減りました。文系学部と比べて理系学部の募集人員が多いので、その志願者数が落ちると、大学全体の影響は大きくなります。また、実質倍率は、経済(理系)や教育(理系)など、募集人員の少ないところほど高くなり、少しの志願者の増減でも上下に振れ易いので注意が必要です。
2017年度では農学部の志願者の減り幅が大きかったわけですが、これはセンター試験の難易度変化の影響もあります。2017年度のセンター試験は国語の平均点が下がりました(難化しました)。農学部は理系学部の中でも国語の配点が高いので、そこで得点できなかった志望者は、受験心理から農学部を避ける動きがあったものと思われます。