「2016東大入試状況」一覧
推薦入試
2016年度から、東大としては初めてとなる推薦入試が実施されました(後期日程は廃止)。募集形態などの概要は、以下の通りでした。
- 募集人員は医学部医学科を含む100人程度
- センター試験の基準は概ね8割以上(医学部医学科は900点中の780点程度)
- 浪人生も出願可で、1校当たり男女各1名まで
実施初年度の状況をみてみましょう。
志願者数は全学部・学科の合計で173名、志願倍率は1.7倍でした。「出願要件の記載項目が、『必須条件』と解釈された(大学のコメントより)」などもあり、志願倍率は2倍を切る水準でした。このことから、2017年度の募集要項においては、「出願要件は『例示である』ことを明記」などの変更がされています。
全体の志願倍率は1.7倍でしたが、学部・学科により状況は大きく異なります。最も倍率が高かったのは教養学部の3.4倍で、理学部の3.2倍、医学部・医学科の3.0倍と続きます。一方で、経済学部は0.7倍、また薬学部も0.8倍で、この2学部では予定の募集人員を下回る結果となりました。
合格者数についてもみてみましょう。志願者173名の内、書類選考での第1次合格者は149名で、さらに面接等やセンター試験成績を総合的に判定した最終合格者は合計で77名でした。全体では予定の募集人員の100名程度を下回ることとなりましたが、実状としては「東大の推薦入試合格者としてふさわしい者を、厳正に選考し合格させた結果」といえるでしょう。
志願倍率と同様に合格者についても、学部・学科によって状況は大きく異なります。教養学部は募集人員5人程度に対して志願者は17名(3.4倍)、第1次選考の合格者は11名でしたが、最終合格者は僅か2名と予定の募集人員に満たない人数となりました。一方で、法学部は10人程度の募集人員に対し、最終合格者は14名でした。大学側からは、「合格にふさわしい者がいる場合は、合格者数が予定の募集人員を上回ることは今後も生じる」との発表がありました。(図表⑫参照)
実施2回目となる2017年度の志願者数は、全学部・学科の合計では前年と同数の173名でした。学部・学科ごとにみると、前回は経済学部と薬学部の2学部で志願者数が予定の募集人員を下回りました。今回の2017年度では、志願者数が募集人員を下回ったのは薬学部のみとなりました。(図表⑬参照)