共通テスト科目別出題分析 一覧
情報処理型の問題が増加し、情報の要・不要を判断する力が問われる
出題の特色
- 総語数は約4,300→約5,400→約5,900と増加の一途をたどっている
- 総語数は増えたが、解き終わるのに必要な時間は減った。情報の要・不要を判断するためのヒントが昨年よりも明確になったため
- 必ずしも見る必要のない図が存在する。ダミー情報に惑わされない判断力が求められた
設問概要・講評
2回目の共通テストで、受験生にとって重要な事実が二つ判明しました。一つ目は、情報処理型の問題が増えたことです。情報処理型の問題とは英文や図の中にちりばめられた情報から、問題を解くために必要な情報のみを素早く見つけるタイプの問題です。必然的に、問題を解くために不要なダミー情報が、情報の中に混ぜられます。2種類の情報を正確に、そして素早く区別する判断力が今年は強く求められました。
二つ目は、今まで共通テストの特徴だと考えられていた、事実と意見を区別する問題が減ったことです。5・6年先の共通テストがどう変化するかまではまだ見えませんが、直近の共通テストを受験する方は一つ目の点に着目し、共通テスト模試を復習する際、情報の取捨選択の精度を確認しましょう。
- 第1問
- A問題は料理本、B問題は動物園のウェブサイトを題材にした問題です。問題を解くために必要な情報と、不要な情報が混在しているため、それらの区別を正確にかつ素早く行えるかどうかが問われました。
- 第2問
- A問題は図書館のウェブサイトと利用者によるコメント、B問題は校内新聞の記事を題材にした問題です。
- 第3問
- A問題は日本文化について外国人が書いたブログ、B問題は山登り雑誌の記事を題材にした問題です。
- 第4問
- 家電製品の購入について、2人の大学生がそれぞれ異なる意見を述べたブログを題材にした問題です。
- 第5問
- 伝記文を読み、その人物について授業で発表するための資料を作る問題です。
- 第6問
- 説明文を読み、その内容について授業で発表するための資料を作る問題です。
配点・出題内容・難易度
大問 | 配点計 | 小問 | 配点 | 出題内容 | 難易度 |
---|---|---|---|---|---|
第1問 | 10 | A | 4 | 料理本 「ブラジルのフルーツ」 (本文142語/選択肢33語) |
易 |
B | 6 | ウェブサイト 「キリンの子供の名前募集」 (本文263語/選択肢100語) |
やや易 | ||
第2問 | 20 | A | 10 | 案内文 「大学図書館の利用方法」 (本文323語/選択肢202語) |
標準 |
B | 10 | 校内新聞 「ペットを飼うことの効用」 (本文260語/選択肢183語) |
標準 | ||
第3問 | 15 | A | 6 | ブログ 「日本文化体験イベントの感想」 (本文296語/選択肢47語) |
標準 |
B | 9 | 雑誌記事 「スリー・ピークス・チャレンジ」 (本文404語/選択肢129語) |
標準 | ||
第4問 | 16 | 16 | ブログ投稿 「電化製品店の比較」 (本文533語/選択肢190語) |
やや難 | |
第5問 | 15 | 15 | 伝記文 「Philo Taylor Farnsworthとテレビの誕生秘話」 (本文712語/選択肢246語) |
標準 | |
第6問 | 24 | A | 12 | 説明文 「朝型と夜型の特徴について」 (本文790語/選択肢152語) |
標準 |
B | 12 | 説明文 「プラスチックの識別表示マーク」 (本文675語/選択肢267語) |
標準 |
※難易度は絶対評価
平均点の推移
年度 | 平均点 ()は100点満点換算 |
|
---|---|---|
2022 | 61.8 | |
2021 | 58.8 | |
2020 | 116.3 | (58.2) |
2019 | 123.3 | (61.7) |
2018 | 123.74 | (61.9) |
2017 | 123.72 | (61.9) |
2016 | 112.42 | (56.2) |
2015 | 116.16 | (58.1) |
2014 | 118.86 | (59.4) |
2013 | 119.14 | (59.6) |
放送が1回の英文と、2回の英文で読む速さが大きく異なるようになり、得点しやすくなった
出題の特色
- 英文が2回放送される第1問では英文の読み上げが速くなり、1回しか放送されない第6問では英文の読み上げが遅くなった。
- イギリス英語の話者が登場する問題の数は昨年と変わらず。今後も続くと予想される。
- 昨年の第6問Bで登場したような、イギリス英語とアメリカ英語の発音を聞き分けて話者を区別する難問は姿を消した。
設問概要・講評
共通テストでは、第1問と第2問では英文が2回読まれるのに対して、第3問から第6問では1回しか読まれません。正答率が低くなりやすい第3問から第6問に関して、今年は英文を読み上げるのがゆっくりになり、聞き取りやすくなりました。
一般的に英語が話される速度は、個人差を考慮しても1分間に160語から200語です。しかし今年の第6問Bでは、1分間に130語以下にまで落ち込む場面がありました。これははっきりと不自然だと分かる遅さで、その結果正答率は上昇しています。この出題で判明したのは、受験生は昨年の第6問Bのような難問向けの勉強をする必要がなく、今年の第6問Bを得点できるような勉強をすればよい、ということです。
- 第1問
- 1人の話者による発言(流れるのは2回)を聞き、その内容に最も近い英文、またはイラストを選ぶ問題です。
- 第2問
- 2人の話者による対話(流れるのは2回)を聞き、その内容に最も近いイラストを選ぶ問題です。
- 第3問
- 2人の話者による対話(流れるのは1回)を聞き、その内容に最も近い英文を選ぶ問題です。
- 第4問
- 1人の話者による説明、または4人の話者による説明(流れるのは1回)を聞き、その内容に最も近い英文を選ぶ問題です。
- 第5問
- 1人の話者による講義(流れるのは1回)を聞き、その内容に最も近い英文を選ぶ問題です。
- 第6問
- 2人の話者による対話、または4人の話者による会話(それぞれ流れるのは1回)を聞き、話者が言いたかったことは何かを選ぶ問題です。
配点・出題内容・難易度
大問 | 配点計 | 小問 | 配点 | 出題内容 | 難易度 |
---|---|---|---|---|---|
第1問 | 25 | A | 16 | 短文[2回読み] (本文52語/選択肢123語) |
やや易 |
B | 9 | 短文[2回読み] (本文33語/選択肢0語) |
標準 | ||
第2問 | 16 | 16 | 短い対話[2回読み] (本文113語/選択肢30語) |
標準 | |
第3問 | 18 | 18 | 短い対話[1回読み] (本文294語/選択肢168語) |
標準 | |
第4問 | 12 | A | 8 | モノローグ[1回読み] (本文171語/選択肢40語) |
標準 |
B | 4 | 複数人による説明[1回読み] (本文161語/選択肢53語) |
標準 | ||
第5問 | 15 | 15 | 講義[1回読み] 「ギグワーク:21世紀の働き方」 (本文325語/選択肢232語) |
標準 | |
第6問 | 14 | A | 6 | 対話[1回読み] 「料理の作り方」 (本文155語/選択肢65語) |
標準 |
B | 8 | 会話[1回読み] 「エコツーリズム」 (本文228語/選択肢75語) |
標準 |
※難易度は絶対評価
平均点の推移
年度 | 平均点 ()は100点満点換算 |
|
---|---|---|
2022 | 59.45 | |
2021 | 56.16 | |
2020 | 28.78 | (57.56) |
2019 | 31.42 | (62.84) |
2018 | 22.67 | (45.34) |
2017 | 28.11 | (56.22) |
2016 | 30.81 | (61.62) |
2015 | 35.39 | (70.78) |
2014 | 33.16 | (66.32) |
2013 | 31.45 | (62.9) |