2024年度 大学入学共通テスト平均点[中間集計]

英語リーディングが低下するも生物は上昇、全体では比較的落ち着いた結果に

2024年度入試で4年目を迎えた共通テストですが、2024年1月19日に大学入試センターから本試験の各教科・科目平均点(中間集計②)が公表されました。

2024年度大学入学共通テスト平均点[中間集計②]

昨年は化学・生物の平均点の低さが特に目立ち、化学は50点未満、生物は40点未満となり、物理と生物で20点以上の平均点差が生じたことで得点調整が実施されたものの、それでも生物はセンター試験を含めて過去最低を記録するという結果でした。

その中で今年の平均点は、化学が54.77点、生物が54.83点で、昨年の得点調整前の平均点と比べると、おおよそ化学は+6点、生物は+15点と大きく平均点が上昇することになりそうです。センター試験時代には60点を超えることもあったことと比較するとやや低い水準ですが、かなり得点しやすくなったとみられます。

理科の科目間得点差も、最も高い物理と化学で10点未満となり、地歴公民を含めて得点調整は実施されませんでした。センター試験を含めても理科の得点差は比較的小さくなっています。実施4回目で、科目間の難易調整が適切に図れるようになってきたといえるかもしれません。

理科(物理、化学、生物)科目間平均点差

また、一昨年に極めて平均点が低下したものの昨年は例年並みの水準にまで回復した数学は、今年もやや低下程度で落ち着き、得点が乱高下するようなことはなさそうです。

一方、平均点の低さが目立つのが英語リーディングと政治・経済です。政治・経済はセンター試験を含めて過去最低、英語リーディングはセンター試験時の英語(筆記)を含めて1994年に次いで過去2番目に低い得点率になりそうです。

ほとんどの受験生が受験する英語リーディングは、昨年より総語数が増えており、特に共通テスト以降は分量の多さが平均点を下げる一因になっているとみられます。

ただし、英語リスニングはセンター試験以降でも3番目に高い得点率となり、リーディングとリスニングの合計では、昨年からやや上昇し、例年並みの水準になるとみられます。

5(6)教科受験者の合計点の平均は、主に国語・英語の上昇で、文系・理系ともに昨年度から上昇しそうです。さらに理系は、選択者が多いとされる地理Bも昨年度からおよそ+5点が見込まれる分、共通テスト1年目の2021年度の水準に近いところまで高くなりそうです。

全体的に大幅な難化はみられず、来年度の新課程入試を控えて落ち着いた難易度になったと考えられます。