東大理科の特徴と傾向分析・学習アドバイス

試験概要(理科類のみ、物理・化学・生物・地学より2科目選択)

配点 各科目60点、計120点
試験時間 150分(時間内で2科目解答)
大問数 各科目3問

Ⅰ 東大理科の特徴と傾向分析

※「地学」を除く「物理・化学・生物」について、特徴と学習アドバイスを掲載しています。

①物理

例年、力学と電磁気から1題ずつ、もう1題は熱力学または波動から出題されます。どの分野の問題も、最初は基本的な内容の問題から始まり、徐々に設定が複雑になり、最後は難解な設定を読み解くことになります。いずれも段階的に複雑化していくので、序盤の問題で本質部分の理解と確実な正解が求められます。そして、後半はいかに問題の意図や論理展開を正しく読み取れるかが鍵となります。

②化学

例年1題ずつ理論・有機・無機とバランスよく出題されます。単語や数値の単答の問題だけでなく、論述や描図、計算過程の記述を求める問題などもあり、解答では多様な表現力が必要です。初めて見る設定の場合も多いですが、込み入った知識よりも基本的な内容の本質的な理解が求められます。また問題量が多いので思考や計算の処理スピードが必要になり、他科目との時間配分の基準となります。

③生物

例年、動物・植物から1題ずつ出題され、もう1題は、かつては分子遺伝学的分野が多かったのですが、近年は分子レベルの内容がどの問題にも見られるため、むしろ生態系からの出題が増えています。以前に比べ論述量が減ったものの、問題文が長くなり、また悩ましい選択問題が見られるようになり、時間的負担は相変わらずです。知らない内容を読み、知らない実験を考察し、理解した内容を文章で表現するというスタイルは変わりません。