地理歴史の出題概要・学習アドバイス

2022年度 東大2次出題概要・学習アドバイス

出題内容・配点・試験時間

配点・試験時間
配点 試験時間
日本史 2科目
120点
2科目
150分
出題内容
大問 出題形式 出題内容
第1問 [論述] A:2行(60字)
B:4行(120字)
古代の命令伝達
第2問 [論述] 5行(150字) 中世後期の天皇家と荘園、
幕府の対応
第3問 [論述] A:3行(90字)
B:2行(60字)
近世の民衆政策
第4問 [論述] A:3行(90字)
B:3行(90字)
近代の労働生産性

出題概要・分析

東大の日本史は例年古代・中世・近世・近代の4問構成ですが、2022年度も同様で、60~150字の論述問題が出題されています

東大の出題の特徴は、資料文や年表などを分析して論述させることです。たとえば、第4問で近代日本の労働生産性上昇の要因について問われていますが、指定された時期や与えられたグラフ・史料から読み取ったことを、産業革命による機械制生産や教育制度の整備といった知識と結びつけて考える必要があります。

東大の問題は丁寧に資料文を読んで、持っている知識と関連づけることで、初めて解答を作成することができます。このような問題に対応するためには、学んだ知識を関連づけて歴史を考察する訓練が必要です。

学習のポイント

学習時に重要なことは、歴史事象同士の関連性や事件の背景・結果・意義などに注目することです。論述問題では歴史事象の原因や推移などについて問われますが、こうした問題に答えるためには単なる用語暗記ではなく、背景や結果・意義などの知識を学習することが有効です。その上で過去問をこなし、論述の方法などを学んでいくことが大切です。

出題内容・配点・試験時間

配点・試験時間
配点 試験時間
世界史 2科目
120点
2科目
150分
出題内容
大問 出題形式 出題内容
第1問 [論述] 20行(600字) 8~19世紀の中央アジア(東西トルキスタン)の歴史的展開
第2問 [論述] 2行(60字)×3
4行(120字)×2
法や制度の理念・理想
[記述] 2問
第3問 [記述] 10問 戦争や軍事衝突が与えた影響

出題概要・分析

東大の世界史は、第1問が大論述、第2問が小論述、第3問が一問一答の記述式問題からなります。第1問は年度による増減はありますが600字(20行)指定が一般的です。設問に付されたリード文の要求を的確に読み取って解答を作成することが求められ、ここが第1問の難しさです。

第2問は60字(2行)~120字(4行)論述が複数出題され、一問一答が出題されることもあります。第3問は一問一答形式が大部分ですが、記号選択問題・30字(1行)記述問題が出題されることもあります。全体として要求される知識は基本を大きく逸脱することはありません。

2022年度の第1問はトルキスタンの地域史を問う大論述です。いわゆる「中央アジア」と呼ばれる地域の歴史で、教科書では中国史・イスラーム史を中心に、各単元において細切れに扱われる内容を統合することが求められます。

第2問は例年よりも4行論述が多いものの、マキァヴェリの思想を問う問題を除けば標準的な問題です。「民族や出自にかかわらず」という問題文の記述に留意して答案を作成するとよいでしょう。第3問は標準的な難易度です。第2問・第3問で失点を極力減らし、第1問で半分程度の得点を取れれば、合格点に達するでしょう。

学習のポイント

まずは教科書の内容をしっかりと身につけることが一番です。ここでいう「しっかりと身につける」とは、多くの用語を暗記することではなく、用語を記憶した上で、それが表す内実や、歴史的推移の中での位置づけを説明できるようになることです。本文はもとより、欄外の注やコラムなどにも目を配ってください。これに加えて、過去問演習を重ね、出題傾向や出題形式になじむことが必要です。また、論述問題は解いた上で、必ず添削指導を受けてください。

出題内容・配点・試験時間

配点・試験時間
配点 試験時間
地理 2科目
120点
2科目
150分
出題内容
大問 出題形式 出題内容
第1問 [論述] 2行(60字)×4
3行(90字)×2
世界規模の事象の分布や変化
[記述] 1問
第2問 [論述] 1行(30字)×2
2行(60字)×4
3行(90字)×1
南北アメリカの経済と社会
[選択] 1問
第3問 [論述] 1行(30字)×2
2行(60字)×2
3行(90字)×2
日本の都市と農業
[選択] 2問

出題概要・分析

例年と同じ大問3題の構成で、第1問は人獣共通感染症と世界の船の航路に関する「世界規模の事象の分布や変化」、第2問は南北アメリカの経済と社会、第3問は日本の都市と農業に関する設問です。

いずれも細かい知識はあまり求められていませんが、資料や図を分析して地理に関する事象がどのように発生し、それが他のどのような事象に影響を与えているかを簡潔に説明できる表現力がないと得点できないようになっています。2015年度以来7年ぶりとなる国土地理院発行の地形図(新旧の比較)の出題もみられました。また、2021年度と比較して小問や論述(1行あたり30字)の総字数が多く、解答に時間がかかりやすくなったと思われます。

学習のポイント

東大は独自の出題形式を続けているため、早めの過去問対策で出題形式・傾向をつかむことが必要です。そのために教科書や参考書の暗記一辺倒の学習ではなく、地図帳を見て空間的な視野を養うこと、そして世界の出来事に広く関心を持ち、どのような問題が出題されても柔軟に対応できる思考力の深さを身につけておくことが大切です。