調査書等の扱いも配慮される
2021年度入試では、従来の学力重視の選抜から、高校生活での多様な活動を本人記載資料や調査書等を積極的に活用して見ていこうとする動きがあります。ただ、臨時休校によって3年1学期の評定を記載できない、大会や資格・検定試験の中止でその成果・結果を書けない、というケースもあります。大学は、このことをもって志願者が不利益を被らないような措置がとられる予定です。
特に、総合型選抜や学校推薦型選抜では、成果獲得に向けた努力のプロセスや受験大学で学ぼうとする意欲が評価ポイントとして重視されるようになります。志望理由書等を作成する際には、そうした点をふまえて記載すれば、部活動の結果・実績などが書けなくても心配することはありません。
評価の方法や重みづけについては、すでに見直しが公表されている大学もあります。筑波大では、一般選抜で当初予定されていた主体性等の評価が見直され、調査書は点数化されなくなりました。
出題範囲等に変更がある場合も
2021年度入試科目については、すでに発表されている大学もありますが、高3時に履修することの多い科目については、配慮され変更される場合もありそうです。
共通テストの科目指定で、地歴・公民、理科の2科目を1科目にすることや、理科を基礎理科に変更することなどが考えられます。また、個別学力検査の出題範囲で、選択問題を追加で設定することや、「発展的な学習内容」から出題しない、あるいは補足事項を記載するなど、工夫がなされる変更もあるでしょう。各大学は、こうした「学習の遅れ」に配慮した入試変更を7月31日までに決定し公表するように要請されています。
受験生は、志望校の出題範囲等に変更がないか確認する必要が出てくるわけですが、第1志望校だけの情報だけでなく、併願予定校を含めた大学情報を収集するようにしてください。大学によって出題範囲が異なることになれば、いずれの大学でも対応できる範囲や科目を準備する必要があります。