科類ごとの増減や倍率の動き
科類ごとの増減や倍率の動きをみてみましょう。2017年度の各科類の増減は概ね前回からの反動によるものです。今回志願者が増えたのは文科一類と二類、そして理科二類です。以上の3科類はいずれも前回は第1段階選抜が不実施で、その反動からの増加がみられました。残りの科類は今回は減少です。文科三類と理科三類は前回は志願者が増えていましたが、理科一類は率としては小幅ですが2年連続の減少となっています。【図表②③参照】
文科は2008・2009年度あたりと比較すると、人数・倍率ともに低めの水準です。第1段階選抜の基準倍率は全て3.0倍ですが、特に2013〜2016年度については基準倍率ぎりぎりのケースも散見されました。ただし今回の2017年度は文科一類と二類で倍率が上昇し、文科の志願倍率はいずれも3.2倍から3.3倍前後となりました。
各類の動きをみると、最難関の文科一類は年ごとの変動が大きいのが目立ちます。例えば、2009年度の4.10倍→2010年度の3.15倍、また2012年度の3.97倍→2013年度の2.92倍など、大幅な倍率ダウンもみられます。2013年度に志願倍率が大きくダウンしたのは、前年の2012年度で志願倍率と第1段階選抜の最低点が文科の中で最も高かった影響です。またこの5年間の推移でみると、文科三類の倍率変化も比較的大きくなっています。2013年度と2016年度はいずれも倍率のアップが目立ちます。【図表②参照】
理科は文科と異なり、第1段階選抜の基準倍率は類ごとに変わります。理科一類が2.5倍、二類が3.5倍、三類は4.0倍です。類ごとの志願倍率の推移をみると、文科一類と同様に、最難関の理科三類は募集人員が少ないこともあって倍率変動が顕著です。2008年度からの10年間は概ね隔年現象となっていますが、倍率は2008年度の4.64倍から2011年度の5.65倍の範囲で、年ごとの倍率変化が大きくなっています。一方で理科一類は、募集人員が約1,100名と規模が大きいため、倍率の変動は小幅となります。【図表③参照】