2017年度は医-人間健康科学科で大幅改革
京大入試ではアドミッション・ポリシーにあるように、幅広い基礎的学力と各学部のもつ理念・教育目的に応じた個別学力検査の総合力が求められます。個別学力検査(2次試験)は、文系学部では英語・国語・数学・地歴(1科目)、理系学部では英語・国語・数学・理科(2科目)、の受験が基本形となります。国語力はあらゆる知的能力の基盤となるもので、2次試験で文系・理系の全学部に課されているのが特徴です。
京大入試は毎年のようにどこかの学部・学科で変更点があるので注意を要します。全体として、各学科独自性のある入試科目設定から共通科目へと収斂している傾向にあるようです。こうすることで入学後に学生が学科や専攻の変更を柔軟にする狙いも将来的にあると考えらえます。
2017年度は、医(人間健康科)の改組があります。看護学・検査技術科学・理学療法学・作業療法学の各専攻が廃止され、新たに総合医療科学・先端看護科学・先端リハビリテーション科学の3コースが設置されます。総合医療科学コースでは、
① 生命・基礎医科学講座
② 臨床医科学講座
③ 臨床理工科学講座
の3つの講座で構成され、「オートファジー細胞」や「情報理工学」の学びなど、幅広い領域で先端医療技術の開発とそれを担う人材育成を目的としています。
入学定員は現行の143名から100名に縮小、そのうち前期日程では定員70名の学科一括入試となります。入学後1年半は、共通の医学・医療に関する基礎教育を受け、2年生後期から学生の希望する進路選択が可能な制度になっています。
各コースの定員は特に設けられておらず、入学時や入学後の成績に関係なく各自の興味・関心に従って進めるのが特徴です。一方、特色入試では入学時に明確な目的意識もった受験生を看護・理学療法・作業療法で受け入れる方針をとっています。
一般入試では入学定員が大幅に減少すること、センター試験と2次試験の配点比率が250:750になること、を考えあわせると、次年度の入試難度は高まり、今まで以上に京大が求める記述力の対策が必要となってくるでしょう。早い段階ですでに志望コースが決まっている場合は、定員が30名に増えた特色入試での受験をまずは検討してみてはどうでしょうか。