現役京大生 文学部３年 K.H.さんに、京大を目指したきっかけや大学での学びなどさまざまなお話をお伺いしました。

大学で学んでいること

大学１～２年生の間は興味深いと感じる講義を選択していました。インドの近代史、大戦中のドイツの食糧史など、京大には様々な時代・地域・テーマに絞った講義がたくさんあります。

その中でも特にドイツ食糧史の講義は印象深かったです。高校の歴史であれば範囲の広いテーマで語られることが多いですが、この講義は「キッチン」というテーマに絞って、ナチスドイツでのキッチンの歴史の歩みや、食糧難、食糧生産に合わせた生活様式という話を聞くことができました。調べても簡単に得られる情報ではないので、貴重だったと思います。

また、宇宙倫理学の授業も印象的でした。地球上の問題が増えている中で、宇宙開発に予算を割くべきなのかといった点などについて、新しい倫理学として研究が進められている学問を学んだことは新鮮味があり楽しかったです。この授業は「ILASセミナー」という少人数演習授業で、教授と自分を含む６人の学生のみで毎週ひとつのテーマについて議論していく形式だったので、なじみのない内容でも深く考えることができました。

今後は、芸術や宗教など社会的な要素と商業の関係を焦点に、商業の歴史を研究したいと考えています。商業とその他の社会的要素には、商業が社会的要素を受容して変化した、またその逆に社会的要素が商業に合わせて変化した、というような相互の影響があると思います。その点に関して、中世ヨーロッパでの越境的なビジネスの展開から見てみたいです。時代によって異なる発見があるとも思うので、それを考えることも楽しみですね。一方で、学ぶ分野はかなり広くなるので、学びに対する姿勢を保つことが大変になるだろうと思います。

大学受験・大学生活Q＆A

Q.京大を目指したきっかけは？

京都大学を目指し始めたのは、現役受験が終わってすぐの３月です。浪人が決まり予備校という環境に身をおくと決まった時点で、この１年は勉強だけしよう、どうせなら目標は高くしようと考え、京都大学を志望校にしました。また、将来海外に関わる仕事に就きたいと思っていたのですが、京大は国際学部のような学部があるわけではないので、ある程度自由に学べそうだと思って、まずは総合人間学部を目指すことにしました。

Q.現在の学部を選んだ理由は？

予備校に入ると、現役の頃はいかに受験準備が不足していたか思い知らされました。しかし、知識を入れつつ世界史の論述問題を解いていると、勉強が楽しく面白いと思えてきました。現役の時は暗記するだけだった教科書も、文脈を意識して読むと、歴史がストーリーになり小説を読むような感覚になって面白く感じてきたんです。そこで自分は歴史が好きだと気づき、大学でもっと学んでみたいと思い、文学部を目指しました。

Q.勉強以外の大学生活は？

ダンスサークルで週に２日練習し、京大の11月祭などでダンスを披露しています。他大学の学生や留学生も多く、大学や国籍を気にせず交流できる点が魅力的です。また、アパレルショップでのアルバイトもさまざまな経験ができてとても身になっています。ギターやチェロの演奏など、興味の赴くままにいろいろなことに手をつけながら、なにかやろうと思ったときはすぐに実行して、未来の自分にできるだけ時間を残しておこうと意識しています。

Q.将来就きたい仕事や今後の目標は？

将来は国際ビジネスの現場で、一つの国にとどまらずさまざまな地域で働きたいと思っています。昔から海外のお菓子や雑貨、本などには惹かれるものがありました。自分の眼差しで、日本で魅力を発揮する海外の商品を選び、持ち帰るという仕事に憧れています。華やかな海外の製品を日本で普及させることもしてみたいですが、これまで届かなかったような、まだ日本とつながっていない地域と商品をつなげる仕組みをつくりたいです。

受験生へのメッセージ

勉強する目的を見失わないことが大切です。勉強の予定を立てると予定通りに進めることが目的になってしまいがちですが、確かな学びが得られるようにじっくり向き合ってください。入試本番は根拠のない自信でもできる気がしてくるので、自信をもつとよいと思います。また、受験や将来に必要ではない勉強も大事だと思います。受験が近づくと「必要か否か」で物事を判断しがちですが、さまざまな学びを大切にしてください。

※2021年10月時点のインタビューです。