京大入試の合格点(2020年度一般入試)

合格者の平均得点率全学部で低下

京都大発表の2020年度合格者得点によると、総点(センター試験と2次試験の合計得点)の平均得点率は、医学部医学科が68.6%で最も高く、人間健康科学科が最低で52.2%、他の学部・学科は文系学部でおおよそ60~65%、理系学部で55~60%となりました。

2019年度の平均得点率と比較すると、全学部で低下しています。下げ幅は文系学部より理系学部の方が大きくなっていて、最大は理学部でマイナス9.7ポイント(前年68.5%→58.8%)、最小は法学部のマイナス0.4ポイント(66.1%→65.7%)でした。

合格者の平均得点率(総点)

2020年度入試は、センター試験の平均点低下もありましたが、京都大2次試験の数学、理科が前年比較で難化したことが、総点得点率低下の要因です。数学、物理、化学において、容易に得点できる問題が減少し、解答に時間を要する設問が増加しました。

合格平均得点率・実質倍率推移 得点率差の大きい(小さい)学部

センターが85%の得点率なら、2次では45~50%が合格ライン

京都大合格のためには、センター試験で85%以上の得点率を目標にしたいところです。仮にセンター試験で85%得点できた受験生だと2次試験では2020年度合格者最低点(総点)をもとに算出すると、文系学部では概ね50%、理系学部では45%の得点率が必要となります。今年は2次試験で一部の科目が難化したことで、得点率は低下しています。最難関の医学医学科でも57.7%と6割を切りました。人間健康科学科は35.9%と4割に届いていません。受験生は「次年度は易しくなるだろう」などと根拠のない予測は立てずに、今年の問題レベルを標準に受験対策を立てて欲しいと思います。

2次試験で必要な得点率

工学部は「情報」No.1時代が続く

工学部は出願時に第1~第2志望まで学科を選択することができます。学部単位で入試成績の高い順に合格者を第1、第2志望の学科に振り分けていくことになります。2020年度の合格者最低点は上から「情報>物工>建築>電電>地球>工化」の順となりました。この並びは前年度とおおむね同様で、情報学科の難化が続いています。この情報学科と2番目の物理工学科との得点差は年々拡大していて、入りにくくなっていることを示しています。

工学部学科別 合格者最低点(高い順)

近年の技術革新による産業構造の変化と学科研究内容からみても、当面この傾向は継続すると思われます。ただし、数年後はどうなっているか?を予想することは難しいことです。8年前、2012年度の合格者最低点の上位1位は物理工学科で、情報学科は最下位、その頃は現在ほどの注目系統でなく難化はしていませんでした。

2020年度一般入試前期 合格者の最高点・最低点(総点)