京大入試の女子割合は志願者23.0%、合格者21.2%
京都大の2020年度前期日程の女子志願者数は1,691人で、全志願者数7,347人に対し23.0%でした。また、女子合格者数は578人で、全合格者数2,725人に対して21.2%でした。2014年度入試で女子志願者割合が24.8%、2011年度で女子合格者割合が23.2%であったことを考えると、2020年度の女子割合は高いものではありません。2011年度からの女子志願者数と合格者数の推移を見ると、減少基調であることが分かります。
理系女子志願者 近年は薬・農でも減少
女子の強い文、教育。弱い工、理、経済
学部・学科別に合格割合を見ると、上位は ①教育学部文系、②人間健康科学科、③教育学部理系、④文学部で、いずれも、例年女子受験生に人気のある系統です。教育学部は文系理系合計すると35人となり、女子割合は64%と半数を超えます。また、文学部は合格数が91人と京都大で最も女子の多い学部となっています。前年最も割合が高かったのは農学部食品生物科学科でした(56.3%)。2020年度は農学部の志願者減少の影響を受け15.2%にまで下がりました。
工学部は建築学科の女子割合24.7%が最高で、地球工学科、電気電子工学科、物理工学科、情報学科、は10%を切っています。近年の人気系統として情報系があげられますが、女子合格者は3人で、男子受験生の独占状態が続いています。同様に、データサイエンスの学びをイメージできる経済学部理系の合格者も4人と振るいませんでした。
伝統的に女子より男子の進学が多い経済や理工系の領域では、女子受験生にとって先輩も少なく具体的な進路が見えにくいのかもしれません。一方、看護を中心とした人間健康科学科では女子合格者数が比較的安定しています。
工学部の大半の学科で女子合格割合が底辺にある状況は、毎年変化することなく続いています。京都大に憧れをもつ女子受験生にとって募集人員が最大の工学部を狙うことは、合格のチャンスが広がることでもあります。志望学部を考える際には、前例にとらわれず、中学高校での幅広い学びの中で興味関心を拾い育てアプローチして欲しいと思います。