昨年度から数学が大きく上昇する一方で、他教科はやや低下傾向
2023年度入試で3年目を迎えた共通テストですが、2023年1月20日に大学入試センターから本試験の各教科・科目平均点[中間集計その2]が公表されました。
昨年度(2022年度入試)は、日本史B、数学Ⅰ・A、化学、生物基礎、生物がセンター試験を含めて過去最低を記録するなど一昨年度からの平均点の低下が特徴的でしたが、今年度は数学Ⅰ・Aと数学Ⅱ・Bで昨年度から合計+36.11点という大幅な上昇が目立ちます。
昨年度は特に数学の低下が影響し、国公立大学の共通テストボーダーライン等も大きく下がることとなりましたが、今年度は再び上昇するものと見込まれます。
一方、昨年度に過去最低を記録した化学と生物については、化学は昨年度並、生物は昨年度からさらに10点近くの低下となるほどの厳しい難易度が続きました。生物の平均点が40点を下回るのは過去初めてのことです。
しかし、物理と生物の平均点差が20点以上を超えたため、得点調整が実施されました。共通テストになってからは2回目、共通1次、センター試験を含めると5回目の得点調整です。今回の平均点差は23.65点で、センター試験以降で生じた差としては最大です。
この調整により、化学は最大で7点加点され平均点が+5.45点、生物は最大で12点加点され平均点が+8.72点となりました。とはいえ、生物は調整後の点数でも昨年度の点数を下回り、過去最低を更新する見込みです。
また、英語リーディングや国語、倫理、政治・経済、世界史Bの低下も目立ちます。特にほとんどの受験生が受験する英語リーディングは、センター試験時代の英語(筆記)を含めて過去20年で最も低い得点率になりそうです。
5教科受験者の合計点の平均は、数学の影響で昨年度からは大きく上昇しそうですが、共通テスト1年目である一昨年度の水準よりはやや低くなるとみられます。全体的にはセンター試験から共通テストに移行して、やや難化の傾向にあるといえるかもしれません。