志願者総数は5年連続減少。現役生の比率は過去最高を更新
2023年度で3回目となる共通テストの志願者数は512,581人と昨年度よりも17,786人減少し、センター試験時代を含めて5年連続の減少となりました。過去10年で最も志願者が多かった2018年度と比較すると約70,000人減です。
昨年度は、高等学校等新規卒業見込者(現役生)の総数がセンター試験開始以降初めて100万人を割りましたが、今年度は昨年度からさらに約27,000人減少しています。文部科学省の統計によれば来年度も18歳人口は減少するとみられ、2024年度の志願者総数は50万人を割ることも考えられます。
志願者総数における現役志願率(現役生全体のうち共通テストに出願した者の割合)は45.1%と昨年度から変化はありませんでしたが、共通テスト志願者全体に占める現役生の割合は85.2%で、昨年度から0.5ポイント上昇し過去最高を更新しています。
一方、2021年度に大幅に減少した高等学校等卒業者(浪人生)は、今年度も5,143人減(対前年比93.3%)と昨年度以上の減少幅となり、占有率も14.0%と過去最低を更新しました。なお、浪人生の女子割合を共通テスト導入以降の3年間で見ると、26.9%→27.8%→28.8%とやや上昇傾向にあります。
共通テスト利用大学数は711大学、利用大学等の総数は過去最多
2023年度の専門職大学、短期大学を含めた共通テスト利用大学等の総数は870大学となり、過去最多だった一昨年度の866大学よりも4大学増加する形で最多を更新しています。
国公立大学は全大学が共通テストを利用しますが、公立大学に関しては、2022年4月から公立大学化した周南公立大学(山口)が今年度から加えられることによって、昨年度の93大学から1大学増の94大学となります。
私立大学は、愛国学園大学(千葉)・名古屋柳城女子大学(愛知)・大阪信愛学院大学(大阪)・令和健康科学大学(福岡)の4大学が新規利用する一方、園田学園女子大学(兵庫)が共テ利用方式を廃止、徳山大学(山口)が周南公立大学として公立大学化したため、535大学と昨年度から2大学増加し、全体の約9割が一部あるいは全学部で利用します。
現役志願率は東京が高く大阪が低いなど地域差がみられる
2023年度の共通テストの現役志願率を志願者の出身高等学校等の所在地別に見てみると、最も高い東京は57.6%であるのに対し、最も低い沖縄は31.7%であるように都道府県によってばらつきがあります。今年度に限らず例年こうした地域差がみられる結果となっています。
同じ大都市圏でも東京と大阪で20ポイント以上の差があるなど、地域によって大学入試への取り組み方が異なっている様子がうかがえます。